社員が次々退職→口コミサイトで悪評続々…「リベンジ退職」の衝撃 アメリカ発の現象は日本でも広がる?【専門家が解説】

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2025年03月09日 18:10  まいどなニュース

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次々に社員が辞め、会社の評判が悪化するリベンジ退職とは? ※画像はイメージです(ponta1414/stock.adobe.com)

不動産販売会社を経営するAさんは、ある日突然、会社の状況が一変してしまったことに愕然としていました。年明けから、これまで信頼していた社員たちが次々と退職届を提出し始めたのです。それだけでなく、同時に口コミサイトで会社の悪口が増えました。

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Aさんは必死に原因を探ろうとしましたが、思い当たる節がありませんでした。給与や福利厚生も業界水準以上を維持し、社員との関係も良好だと思っていたからです。しかし、現実は厳しく、会社の評判は悪化していきました。

困り果てたAさんが経営者仲間に相談したところ、「リベンジ退職」という言葉を耳にしました。会社への不満や怒りを抱えたまま退職し、意図的に会社に打撃を与えようとする行為だと説明されました。Aさんは信じられない思いでしたが、自社の状況がまさにそれに当てはまることに気づき、背筋が凍りつきました。

Aさんが社内調査を実施したところ、中間管理職による過度なプレッシャーや、一部の社員に偏った昇進、さらには長時間労働の黙認など、Aさんの知らないところでさまざまな問題が蓄積されていたのです。気づかなかったとはいえ自分の責任を感じたAさんは、会社の体質改善に取り組む決意を固めました。

近年、アメリカでは不満を爆発させ攻撃するように突然辞める「リベンジ退職」が増加傾向にあります。今後、Aさんの会社のように日本でも増加していくのでしょうか。キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞きました。

ーリベンジ退職とはどういうものでしょうか

リベンジ退職というのは、上司や会社の対応やパワハラ、処遇などへの不満に耐えきれなくなった社員が突然退職し、会社に復讐しようという動きです。近年、アメリカで増加しているといわれており、日本でも増えてくるのではと気にしている人もいます。

リベンジ退職が増加する背景として様々なものが考えられます。コロナ禍で「会社に尽くすよりも、自分の幸福を優先する」というように労働者の意識に変化があったことや、リモートワークに慣れた従業員が、再び職場に出社しなければならなくなったのも要因だと考えられています。通勤時間はなく上司の監視のない中でも働けたのに、なぜわざわざ出社しないといけないのかという揺れ戻しが発生しているようです。

ー実際に会社に復讐をしたいという人はいましたか

これまで何人もの転職希望者の話を聞いてきましたが、会社に復讐をしたいと話をした人はいませんでした。アメリカと比べると日本ではリベンジ退職を表に出す人は少ない印象です。

ジョブ型雇用であるアメリカは、スキルや能力が評価されて雇用されるため、会社への帰属意識が日本よりも低いと考えています。スキルや能力が評価されず、不当な扱いを受けるくらいならすぐにでも退職して、次の職に行こうと考えるのではないでしょうか。

日本では、ジョブ型雇用が進んでいるとはいえ、労働者の意識としては「職に就く」というよりも、「社に就く」という就社意識がまだまだ高いため、自分のスキルや働きぶりに対する評価が気に入らないからといって、すぐに転職という決断を行う人は少ないように感じます。

ー今後、日本でリベンジ退職は増えると思いますか

アメリカほどの現象にはならないと考えます。最近では、転職先の企業が前職の企業に問い合わせて、就業態度などを調査する機会も増えています。退職時に問題を起こすと、転職に影響を与えかねません。そう考えると、日本で働く場合にリベンジ退職するメリットはあまりないでしょうね。

◆七野綾音(しちのあやね)キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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  • 日本には『イタチの最後っ屁』っていう言葉がある🤣
    • イイネ!1
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