５年間で１００億円売り上げ＝悪質リフォームグループ―「スーパーサラリーマン」名乗る・警視庁

　無許可で高額な工事契約を結んだとして、リフォーム会社実質経営者らが逮捕された事件で、リーダー格とみられる清水謙行容疑者（４９）らのグループが５年間で計約１００億円を売り上げていたことが１１日、捜査関係者への取材で分かった。

　同容疑者はインスタグラムで「スーパーサラリーマン清水」と名乗り、札束や高級外車の写真を掲載して派手な生活ぶりをアピール。勧誘されたメンバーの一部はリフォーム代金の詐取未遂容疑で逮捕されるなどしており、警視庁暴力団対策課は組織的に繰り返した可能性があるとみて、全容解明を進める。

　捜査関係者によると、同容疑者は２０１９年２月ごろまでに、自身をトップとするグループ「清水会」を結成。一時約１５０人に上ったメンバーを傘下の複数のリフォーム会社に所属させ、一軒家に飛び込み営業をさせていた。

　グループの口座には２４年２月までに約１００億円が入金されており、同容疑者は手取りで約７億円を得ていたという。

　メンバーは入会後、屋根の点検を持ち掛ける「アポインター」として活動。その後、実績に応じ、「幹部」「班長」「主任」「係長」と昇格する仕組みだった。アポインターが訪問の約束を取り付け、幹部以上の役職者が直接、顧客の家を訪れ契約を結んでいた。

　給与は歩合制で、係長から順に割のいい案件を契約できたといい、タワーマンションに住むメンバーもいた。

　清水容疑者が実質経営していたリフォーム会社の元社員６人が今年２月、不要な工事を持ち掛け、代金をだまし取ろうとしたとして、詐欺未遂容疑で逮捕されていたことも判明。同課は同容疑者の関与も視野に詳しく調べている。