
店内で火災が発生したら、店員はまず客を避難させる。だが客を置いて逃げる店主も少なからずいるようだ。
千葉県に住む60代男性は中華料理店で食事中、入居していたビル内で火災が発生。あわや一大事だったという30年前の体験を語った。
その店は郊外住宅地にあり、駅前のメインストリートのビル一階で営業していた。「あまりおいしくないが、五目ソバだけが例外的にうまかった」と回想する男性。その日も一人で五目ソバを奥の席で啜っていたが……(文:國伊レン)
気づけば店内は無人、呆気にとられていると「火事ぃ! 火事ぃ!」
男性は「楽しみに最後に取っておいたうずらのたまご」を食べ終わり、入口のレジに向かった。だが
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「レジに行くと誰もいない。見回すと客もいない」
すると、そこへ店主のオヤジが店の外からドタドタと物凄い勢いで駆け込んできて「680円!」と大声で怒鳴ってきた。尋常ならぬ雰囲気だ。
「『…あ、はい』と金を払うオレ。レジを打って金をふんだくる様にむしり取るオヤジ。『…なんかあったんすか?』『火事ぃ! 火事ぃ!』それだけ言ってドタドタ再び外へ走り去るオヤジ。取り残されたオレ」
出火元は店内ではなく上階だった様子。非常ベルや放送などもなく、男性は火事が起きていることに気が付かなかったのだ。「え〜そういう大事なことは早く言えよ!」と思いつつ、急いで逃げ出した。ビルの外に出ると火の粉が雨のように降りかかり、消防車が周りを囲んでいた。
「『今頃まで何してんだ、バカ』今度は消防隊員のオヤジに怒鳴られた。もう、30年以上前の事ですが、時折思い出しては考えます。あのさなか680円取りに来るオヤジって……」
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代金の回収に熱心なのは結構だが、せめて自分が逃げ出す前に客に火事を知らせてほしいものだ。
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