相互関税、２段階実施を検討＝トランプ米政権、即時発動も―英紙

　【ワシントン時事】英紙フィナンシャル・タイムズは２５日、トランプ米政権が４月２日導入予定の相互関税について、２段階での実施を検討していると報じた。不公正な貿易慣行への制裁関税に向けた調査を開始するのと同時に、緊急措置を発動し、暫定的な追加関税を即時適用する計画だ。関係者の話として伝えた。

　報道によると、米政権は、相互関税導入の具体的な手段として、不公正な貿易慣行を是正するための措置を定めた通商法３０１条に基づく制裁関税の活用を検討。ただ、実態調査などの手続きが必要となり、実施には時間がかかる。

　そのため、暫定的な措置として、安全保障上の脅威に対処する国際緊急経済権限法（ＩＥＥＰＡ）や、米国産品などに差別的な扱いをする国への対抗措置を定めた１９３０年関税法３３８条に基づき、各国・地域への追加関税を即時適用する案を模索している。関税法を使った場合、最大５０％の関税を上乗せできる。

　また、４月２日に輸入自動車への関税を発動し、第１次政権で実施した安全保障上の影響調査を再開する可能性があるという。