
元保護犬の女の子「さぬき」ちゃんと、Xユーザーの飼い主さんは、2022年2月に出会いました。先住犬の「福太」くんとともに、新しい家族として迎えられたさぬきちゃん。ビビりながらも成長していく彼女の姿は、飼い主さんや家族にとって特別な存在となっています。
【写真】最初は怖がりで警戒心MAX…家具の隙間に入ってフリーズすることも
運命が導いた、小さな命との出会い
飼い主さんは、以前から保護犬を迎えたいと考えていましたが、なかなか踏み出せずにいました。それでも「ペットのおうち」という保護犬・猫の紹介アプリは定期的にチェックしており、仕事が落ち着いたタイミングで目に留まったのが、さぬきちゃんでした。
「先住犬の福太の前に『大福』という犬と暮らしていたのですが、ある日突然亡くしてしまい、その喪失感から白黒の犬ばかりを目で追うようになりました。また、福太が男の子なので、次に迎えるなら女の子がいいのではとも考えていました。その中で出会ったのが、さぬきです」
さぬきちゃんは四国で保護され、元々は殺処分対象だったといいます。警戒心が強すぎて家庭犬には向かないと判断されましたが、関東に引き取られ、新しい家族を探しているところでした。飼い主さんが保護団体に連絡を取ると話はとんとん拍子に進み、生後4カ月のさぬきちゃんを迎えることになったのです。
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ビビりなさぬきちゃん、一歩ずつの成長
お迎え直後のさぬきちゃんは、極度の警戒心から家具の隙間に駆け込み、固まってしまいました。元野犬ということもあり、人への恐怖心が強く、室内でも短いリードをつけてすぐに捕まえられるようにしていたそうです。しかし、そんなさぬきちゃんを支えたのが先住犬の福太くんでした。
「福太が最初からとても優しく接してくれました。さぬきが頼りにしたのも福太で、初めての散歩も福太についていく形で一生懸命歩きました。家の中の探検や、おやつをもらいに来ることも、福太の真似をしながら少しずつ覚えていったのです」
時間をかけながらも、さぬきちゃんは少しずつ家や人に慣れていきました。最初は「何も見ていないような目」をしていたといいます。
「困ったことといえば、一度視界から消えると記憶がリセットされるようなところがあったこと。夜、甘えて寝ても、朝起きると『ダレ……コノヒト……コワイ……』と怯えたり、一度部屋を出て戻ると、不審者扱いされて猛烈に吠えられたりしました」
また、トイレを覚えてもらうのにも苦労したといいます。
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「足元の柔らかい場所で排泄する癖があり、ラグの上でしてしまうのです。そのため、粗相したところから順番にラグを撤去し、ペットシーツを敷きました。その結果、一時期リビングがペットシーツだらけになったこともあります(笑)」
先住犬・福太くんが見せた優しさ
さぬきちゃんを迎えたことで、家庭にも職場にも変化がありました。当時、飼い主さんの夫はリモート勤務が多く、さぬきちゃんの変化を毎日楽しみにしていたそうです。
「朝起きると『さぬきが少しでも落ち着くように』とYouTubeで『犬が落ち着く音楽』を検索して流していました」
飼い主さんの職場では犬たちを連れて行くことができ、スタッフもさぬきちゃんに会うのを楽しみにしていました。家庭にも職場にも、「この小さなビビりな生き物を大切に守らなければ」という気持ちが広がり、優しい空気が満ちていったといいます。
一方で、飼い主さんが心配していたのは福太くんの反応でした。甘やかされて育ち、やきもち焼きな福太くんが、新しい犬を受け入れられるのかどうか……。しかし、その不安は杞憂に終わりました。
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「拍子抜けするほど、あっさり受け入れてくれました。初対面からとても優しく接し、適度な距離を保ちながらも寄り添ってくれました。朝日を浴びるソファの上で、福太がまだ小さかったさぬきに優しくじゃれかかる姿を見たとき、『ここは天国か!?』と思いました」
今でもビビりな性格は残っていますが、家ではお転婆で、帰宅すると家中を駆け回るほど。ふかふかしたものをビリビリにするのが好きで、ラグやヨガマットを次々と破壊しているとか。ドッグランでは尻尾を上げて走れるようになりましたが、友達はまだできていないそうです。そんなさぬきちゃんですが、福太くんが1週間入院した際には、すっかり元気をなくしてしまいました。
「光のない目で、家ではしゃがず、おやつも食べませんでした。その姿を見て、こちらが心配になるほどでした」
さぬきちゃん、福太くんと歩むこれからの日々
毎日の暮らしの中で、飼い主さんはさぬきちゃんにたくさんの愛情を注いできました。
「足を洗うたびに『いい犬だね、いい犬になるよ〜、すごくいい犬だよ〜』と話しかけて育てました。すると、道で出会った人に『あら、いい犬ね』と言われるように…。おまじないが効いているなと思ってます(笑)」
飼い主さんは、福太くんとさぬきちゃんが楽しく幸せに長生きすることを願っています。そして、いつか兄弟犬と再会できる日が訪れることを夢見ているといいます。
「唯一SNSで繋がっている兄弟犬は、遠方で暮らしているので再会は難しいかもしれません。その子も、さぬきと同じようにとてもビビりなようです。今は、SNSでその子の成長を楽しみに見ています」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)