震災から2度目の春 「桃源郷」でスイセンが満開 石川・能登

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2025年04月06日 18:08  毎日新聞

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いたる所で咲き乱れるスイセン。倒木撤去が進めば、もっと広がりが分かる=石川県輪島市大西山地区で2025年4月5日、竹中拓実撮影

 震災から2度目の春を迎え、石川県輪島市西山町の大西山地区では、雪解けが進んだ斜面でスイセンの花が満開となった。


 約30戸の地域住民が棚田の斜面、道路や水路、自宅周りに植え続けてきた。黄色や白に輝く花が春先に咲き乱れる「桃源郷」として、2000年代初めごろから有名になった。


 震災と水害で大被害を受け、倒れたままの電柱も残るが、崩落土砂や倒木のすき間からでも芽を伸ばし、花開かせている。


 山間部にある、この集落の光景は、昨年の雪解け時とほとんど変わらない。いくらか車で進める道が増えた程度だ。昨春は徒歩で山越えしたが、満開時期ではなかった。


 スイセンはいたる所に咲いているが、通った小道わきは今も「崩落地、スイセン、陥没地、スイセン、倒木、スイセン」という状態だ。


 私的なことを記すが、許してほしい。


 スイセンを植え始めた発起者の一人は、記者である私(58)の母だ。末っ子の私が、1985年春に地元高校を卒業し、東京に出た後、子育ての代わりに植え始めたと聞いた。


 私の「身代わり」なのかもしれないこのスイセンだが、満開時期に帰省した記憶がない。私は親不孝者だ。ふるさとの人にも顔向けできない。母を含め集落の人たちが手塩にかけた「桃源郷」の本当の盛りを私は知らない。【竹中拓実】



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