阪神牝馬Sに出走予定のボンドガール(撮影:下野雄規) ヴィクトリアマイルへ向けた重要な前哨戦、阪神牝馬ステークス(GII)。阪神外回り芝1600mを舞台に行われるこの一戦は、春のマイル女王決定戦へ向けて各馬が賞金加算と調子を図る重要なステップレースだ。今年もGI実績馬から上がり馬まで多彩なメンバーが集結し、激戦が予想される。過去のデータ傾向を分析し、有力馬を探っていきたい。
1.前走3勝クラス組の激走に警戒
過去10年のデータを見ると、前走3勝クラスから臨んだ馬は[2-2-2-14]で複勝率30.0%を記録している。これは前走GIII組の[5-6-7-49]、複勝率26.9%を上回る数値である。さらに注目すべきは複勝回収率で、3勝クラス組は126%と非常に妙味がある。格上挑戦ながら、条件戦を勝ち上がってきた勢いのある馬が波乱を演出するケースが少なくないことを示している。一方で、出走頭数の多い前走GIII組も複勝回収率は133%と馬券妙味があり、こちらも無視はできない存在だ。対照的に、前走GI組は[1-2-0-12]で複勝率20.0%、複勝回収率41%と苦戦傾向が見られる。主軸は前走GIII組と3勝クラス組から選ぶのが良策と言えそうだ。
2.前走1着馬は好成績、3着馬と大敗馬にも妙味
過去10年、前走で1着だった馬は本レースで[5-3-3-14]、複勝率は44.0%と非常に高い数値を記録している。回収率も単勝109%、複勝131%と100%を超えており、軸馬候補として有力な存在と言えるだろう。人気を集めやすい傾向はあるものの、その安定感は高く評価できる。さらに注目したいのは前走3着馬で、[0-1-3-2]と出走数は少ないながら複勝率66.7%、複勝回収率は581%と驚異的な成績を収めている。勝ち切れてはいないものの、馬券的な妙味は非常に大きい。一方で、前走10着以下に敗れた馬も侮れない。[3-4-1-37]と8頭が馬券に絡んでおり、複勝率は17.8%と低いものの、3勝を挙げるなど大穴を開けるケースも少なくない。人気薄の激走には注意が必要だ。
3.中4〜8週のローテーションが王道
レース間隔に注目すると、過去10年で最も好成績を収めているのは中4週から中8週で臨む馬たちだ。[7-4-4-45]で勝率11.7%、複勝率25.0%と安定しており、7勝は全勝ち馬の7割を占める。単勝回収率169%、複勝回収率143%と回収率の面でも優秀で、まさに王道ローテーションと言える。次いで好走馬が多いのは中9週から中24週の休み明け組で、[2-6-5-30]、複勝率30.2%は中4〜8週組を上回る。ただし、勝率は4.7%と勝ち切れない傾向が見られ、複勝回収率も102%とやや落ちる。休み明けでも能力を発揮できる馬は多いが、勝ち切るためには一度レースを使われている方が有利なのかもしれない。対照的に、中3週以内[1-0-1-28]とレース間隔が詰まっている馬は複勝率6.7%と苦戦しており、割引が必要だ。
GI秋華賞2着、前走の東京新聞杯(GIII)でも牡馬相手に2着と好走したボンドガールを本命に推す。高いレベルでの実績があり、マイルへの適性も示した。中8週というレース間隔も、データ上最も好走馬が出ている好ローテーションに合致する。自在性のある脚質で阪神外回りコースも問題なくこなせるだろう。悲願の重賞初制覇へ期待がかかる。