頭痛、めまい…春の寒暖差疲労は不調の引き金に!医師が教える“自律神経セルフケア”

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2025年04月10日 11:10  web女性自身

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すっかり暖かくなったと思って衣替えをしたら、一転して厚手のコートがないと震えるような寒さに……。そんな春の気温差を前に、私たちの体にダメージが蓄積しているのだという。この春、東京都内や北関東で、「満開寸前の桜の花に雪が降り積もる」という、まれに見る現象が起きた。



背景にあるのは、前日の最高気温25.7度から一転、最低気温が4.3度にまで急低下するなど、一日で20度以上になることもあった“寒暖差”だ(東京都新宿区・3月28〜29日の気温)。



「ここ数年、連日の極端な気温の変化に体がついていけず、季節の変わり目などに“寒暖差疲労”を訴える方が増えています。特に今春は、気温がジェットコースターのように乱高下しており、急に寒くなった日の数日後に患者さんが増える傾向にあります」



そう語るのは、せたがや内科・神経内科クリニック院長の久手堅司さん。同クリニックでは、「寒暖差疲労外来」を設け、寒暖差によって生じるさまざまな心身の不調の治療にあたっている。このところ耳にすることも増えた寒暖差疲労。主な症状は「倦怠感、首・肩のこり、冷え、めまい、頭痛、不安」など多岐にわたる。寒暖差疲労外来を受診する患者の約7割が女性だという。なぜ、寒暖差が体にダメージをもたらすのだろうか。



「私たちの体には、内臓の働きや代謝などを一定に保つ機能が備わっています。それをコントロールしているのが自律神経ですが、寒暖差が激しいと、見えないところで体への負荷が蓄積し、自律神経のバランスが乱れることで、さまざまな不調の引き金になるのです」(久手堅さん、以下同)



寒暖差には、「その日の最低気温と最高気温の差」のほか、「前日から1週間程度前までの気温差」や「室内と屋外の気温差」など大きく3種類ある。こうした寒暖差は、ときに命にかかわる事態を招くことも。



「日中は暖かいと思って油断していると、夜には急激に気温が下がることがあります。そんな日は、4月であっても冬場と同じように入浴時にヒートショックを起こしやすいので注意が必要です」



ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧が激しく上下すること。立ちくらみや、めまい、ときには心筋梗塞を引き起こすこともある。そして、直接的には見えない疲労を蓄積させていくのが、寒暖差によるダメージの厄介なところだ。



「目安として、一日の気温差が7度以上になると、不調が出やすい傾向にあります。特に近年、春と秋には『体がだるくて家事をこなすのが大変』『仕事に行けない』など、生活に支障が出るほどの倦怠感を訴える方が増えています」



春先は、日本列島付近を高気圧と低気圧が交互に通過する。気圧の変化も自律神経の乱れにつながるため、寒暖差疲労に拍車をかける。



「雨が降る前など、気圧の変化が著しいときに、片頭痛や、めまい、動悸、古傷が痛むなどの症状を感じる方がいます。気圧の変化は、耳の鼓膜の奥にある内耳という部分がセンサーとなり感知しているのですが、内耳は自律神経と深く関係しています。急激に気圧が変化すると、内耳のセンサーが過剰反応し、自律神経に負担をかけてしまうのです」



さらに、更年期の女性はより注意が必要だと久手堅さんは言う。



「更年期症状の悩みを抱えているところに、寒暖差や気圧の変化がやってくると、マイナス要因が2倍、3倍となり、症状がさらに悪化するケースがあります」



まさにトリプルパンチ……。こうして蓄積した不調を「天気のせいだから」などと、その場しのぎできちんと対処せずにいると、めまいの症状がだらだらと続くなどダメージを引きずり、やがて深刻な“後遺症”に直面する恐れがあるという。



「寒暖差疲労のケアをせずにいると、たとえば夏日には熱中症のリスクが高まってしまいます。熱中症は、体温調節をつかさどっている自律神経が乱れることで発汗機能が衰え、熱が体内に籠って発症しやすくなるのです」



4月も下旬になれば、日中25度を超える夏日となる日も増えてくる。猛暑を前に、熱中症のリスクにさらされてしまうのだ。では、寒暖差や気圧の変化によるダメージに負けない体をつくるには、どうしたらよいのか。



「自律神経が正常に働いていれば、寒暖差があっても、不調に陥りにくくなります。つまり、自律神経に負荷をかけすぎない生活を送る心がけが基本です。そのためには、十分な睡眠、適度な運動、バランスのよい食事など基本的な生活習慣に加え、自律神経を整えるセルフケアを日課にしましょう」



久手堅さんが患者に推奨しているのが、内耳の血流を促す「耳ストレッチ」と、タオルを用いて首のこりを改善し、血流をよくする「首ストレッチ」。



「自律神経が乱れると、内耳への血流が滞ります。まずは両耳たぶを軽く横に引っ張ったり回したりすることで、耳の血流を促しましょう。これが自律神経を正常に働かせることにつながります」



首にも、自律神経の働きと深く関わる重要な血管が集中している。



「タオルを軽く首に引っかけて、上下に30秒ずつ引っ張るだけでも、首の血流が促されます。これらを続けることで不調の予防・改善につながります」



両方行っても、わずか2分程度。デスクワークや家事の合間に行うことで、寒暖差や気圧の変化によるつらい症状の軽減が期待できる。体が発するSOSを見落とさずに、毎日をイキイキと過ごそう!

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  • 耳のマッサージは毎日のルーティーンになってる。タオルを首にかけて引っ張るのを今晩からやってみたい。私の場合は副交感神経を活発にさせたいので、迷走神経を活性化させている。喉の奥や爆笑などを。
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