
全長約52メートルの「日本一短いアーケード」をうたう商店街「御旅市場」(京都府京丹後市峰山町御旅)で、約半世紀ぶりの新規出店という観賞用植物専門店が新風を吹き込んでいる。こだわりの品ぞろえを目当てに遠方からも客が訪れる。シャッターが目立つ同市場の近隣の商店主らは「地域を盛り上げ続けて」と期待する。
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昨年7月に開店した「SoeruGarden(ソエルガーデン)」。多肉植物や観葉植物などに特化し、約270平方メートルの店内にサボテンを中心に大小の鉢植えが所狭しと並ぶ。店長の山添貴也さん(31)とイベント企画担当の彩花さん(33)夫妻が店を切り盛りする。
貴也さんは峰山高卒業後、京都市内の生花店勤務を経て同市峰山町内のスーパーの一角で父親が営むフラワーショップで花の販売を担当。兄とインターネット販売も手がけた。
地元や近隣の客から「もっと多くの植物を見たい」という要望があり、市内での出店を決意。親せきの生花店がかつてあり、自社の花材加工場が今も軒を並べる御旅市場を新拠点にした。
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峰山御旅市場商店会によると、同市場の最盛期に18店舗が軒を連ねた。地場産業の低迷などで昨年末、山添さんの店を含めてわずか2店舗に。それでも観賞用植物を目当てに、近隣のほか京阪神、東京から愛好家や観光客らが訪れるという。
同市場で食料品店を営む三木邦彦さん(61)は「店が減って寂しい思いをしていたが、若い人の出店で励まされている」と喜ぶ。商店会の中川芳隆さん(83)は「新たな客層を呼び込み、にぎわい再生に希望をつないでいる」と話す。
店名の「ソエルガーデン」には「寄り添う」の意味を込めた。山添さん夫妻は「人に地域に長く寄り添える店に」と笑顔を見せる。
営業時間は平日(午前10時〜午後6時)、土日祝日(午前10時〜午後5時)。不定休で、営業日は月によって異なる(同店ホームページまたはインスタグラムに掲載)。
(まいどなニュース/京都新聞)
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