桜花賞に出走予定のアルマヴェローチェ(撮影:山中博喜) 今週から仮柵が設けられたBコースを舞台に若き牝馬がスピードと瞬発力を競う桜花賞は、牝馬クラシック第1弾。近年では、いわゆるトライアルレースを使わずに挑む馬が多く過去10年間でもっとも良績を挙げているのは暮れの阪神JFから挑む馬たちで[3-2-0-4]。朝日杯FSから挑む馬を加えると[4-2-0-5]だが、チューリップ賞組も[2-3-2-10]だから無視できない。今年は阪神JFが京都開催だったことから近くの比較がポイントになりそうだ。
◎アルマヴェローチェは阪神JFの優勝馬。札幌2歳S以来となるレースだったが、五分のスタートからこの馬なりのペースで中団から。最後は大外をまわりながらも、レース最速上がりで力強く抜け出し、ゴール前で後続を突き放した。長く良い脚を使える印象で阪神競馬場の外回りコースはあっている印象だ。キャリアの浅い馬ゆえに、まだ未知の部分も残るが、マイナスしなければならない点もない。
〇クリノメイはチューリップ賞優勝馬。先行馬が有利な流れとなったサフラン賞でも非凡な能力を示したが、阪神JFでは外枠発走になるほどゲート内で暴れて能力を発揮出来なかった。前走のチューリップ賞は調教再審査後の1戦だったが、好位のインでしっかりと脚を溜め早め先頭から後続の追撃を封じ込めた。派手ではないが、勝負強さが印象に残る。参考外の1戦を除けばパーフェクトだ。
▲ブラウンラチェットはアルテミスS優勝馬。スローの流れを好位で追走し、最後は11.1秒〜11.0秒のレースラップを楽に抜け出して非凡な瞬発力を示した。1番人気に支持された阪神JFは初の長距離輸送が応えたのか大きく体重を減らしたうえに不利もあって力を出しきる事ができなかったが、今回は早めに栗東に入って調整されている。改めて見直したい。
△エリカエクスプレスはフェアリーS優勝馬。キャリア2戦目の重賞挑戦だったが、好位追走から前半3ハロン34.1秒、1000m通過57.3秒というハイペースで飛ばす2頭を自ら捕まえに行って力でねじ伏せ、スケールの大きさを見せつけた。好枠を活かしたい。
ほかでは阪神JF2着でチューリップ賞3着△ビップデイジーと、クイーンCを勝って意気上がる△エンブロイダリー、そして前走のフィリーズレビューで良い決め脚を発揮した△ショウナンザナドゥまで抑えておきたい。