写真【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.168】
愛猫と距離が近づいたと感じられた瞬間は愛おしいもの。サビ猫くるみちゃんと暮らす飼い主さん(@kurumi_sabi)はお迎えから4か月後、初めて愛猫がお腹に乗ってくれ、感動。
徐々に絆を深めていく2人のイチャラブな日常に、世の猫好きさんはキュンとさせられています。
◆保護猫カフェの協力を得て“念願のサビ猫“をお迎え
もともと、サビ柄の保護猫と暮らしたいと思っていた飼い主さん。しかし、動物保護団体から提示される譲渡条件を満たすことは難しく、なかなか出会いを掴めずにいました。
「新婚だったことから、すぐに離婚して飼育環境が変わる危険性があると判断されたことがありました。賃貸暮らしだと指定の脱走防止柵もつけられなくて……。共働きで日中に猫を見られる人がいないことや猫の飼育が初めてだったことも譲渡が叶わなかった理由でした」
そんな時、行きつけの保護猫カフェが保護ボランティアさんとの縁を繋いでくれたそう。飼い主さんは3年間、その猫カフェに通い、猫の飼育を勉強。熱意と猫愛がボランティアさんに伝わり、2024年10月にサビ猫のくるみちゃんを迎えることができました。
くるみちゃんは、ボランティアの方たちがご飯をあげていた餌場に突然現れた子。痩せておらず、毛並みも綺麗な成猫だったため、当初は迷い猫かと思い、飼い主さんを探しましたが、見つかりませんでした。
警戒心は強く、専門の業者を呼んでようやく捕獲に成功。保護後は、ボランティアさん宅で人馴れ訓練をしました。
飼い主さん宅に来た日、くるみちゃんは怯えた様子で威嚇。しかし、翌日には態度が一変。撫でると、体をすりよせてくれました。
ただ、環境に慣れるのには時間がかかったそう。3日間ほどは、キャットタワーのドームハウスにこもり、飲まず食わずの状態が続きました。
◆お迎えから4か月後に嬉しいサプライズが!
くるみちゃんは今まで男性と接する機会がなかったのか、男性不信でした。飼い主さん宅では、旦那さんを激しく警戒。飼い主さんにのみ、頭突きやゴロゴロ音つきのスリスリをしていました。
ただ、元野良猫だったこともあり、抱っこなどの体を拘束されるスキンシップは苦手。
「近づくと警戒して逃げてしまい、なんとなく距離を感じる甘え方でした」
ところが、お迎えから4か月後、嬉しい変化が。なんと、自らお腹に乗り、甘えてきてくれたのです。
無防備なお尻まで向けるという、この上ないサービスに飼い主さんは大喜び。くるみちゃんに認められたと感じ、嬉しさがこみ上げました。
「こんな日は一生来ないと思っていたので、驚きました。仕事中は寂しい思いをさせてしまうので、我が家に来て幸せなのか、私は飼い主として相応しいのかと悩んだ日もありましたが、そんな気持ちはすべて吹っ飛びました」
◆忍者のような生活を心がけた旦那さんとの仲も変化
嬉しいサプライズは、まだ続きます。なんと、初めてお腹に乗ってくれた3日後、くるみちゃんは初めて膝乗り。飼い主さんは時刻をSNSに書き留めるほど、感動しました。
「私のことを見上げ、安心しきった優しい顔を見せてくれました。『この家に来てよかった!』と言っているみたいだなと思って、私も安心しました」
なお、最近では旦那さんとの絆も深まってきているそう。くるみちゃんを怖がらせないよう、忍者のように生活していた旦那さんの努力は報われ、夫婦で話していると、くるみちゃんは「混ぜて混ぜて」と会話に参加してきます。
「毎晩、2人と1匹で一緒に寝ています。くるみは、空気を読むのが得意な賢くて優しい子。まったく同じ柄がいないところもサビの魅力です」
◆「幸せな猫が増えてほしいからこそ…」 保護猫の譲渡条件に対する想い
今後は爪切りや歯磨きを上達させて、負担を少しでも減らしてあげたい。そう話す飼い主さんは外敵の心配なく、朝まで爆睡できる環境にくるみちゃんを連れてこられたことを尊く思っています。
うちの子と同じように、幸せになる猫が増えてほしい。そう思うからこそ、譲渡の間口が広がることも願っています。
「保護した猫を2度と不幸にさせないように譲渡条件を厳しく設定されている方々のお気持ちは痛いほど分かります。ただ、お留守番が得意で健康な成猫なら共働きの方への譲渡を可能にしたり、脱走防止柵の代用として猫を玄関に行かせない動線作りを認めたりするなど、意見をすり合わせていけたら嬉しいです」
それは、保護猫の譲渡を断られたからと、ペットショップへ向かう人を減らすことにも繋がるはず……。そう考える飼い主さんの気持ちやくるみちゃんの今を知ると、行政も交えて統一の譲渡ルールを作るなど、1匹でも多くの保護猫が幸せになれる方法を社会全体で考えていきたくなります。
猫ファーストな環境に迎えられたくるみちゃん。これからも、どんな微笑ましいスキンシップが見られるのか楽しみです。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291