
仲の良い2匹の猫を迎えたい——そんな願いが、ある日突然、現実になったとしたら?
【写真】お迎え翌日、まだ緊張の残るふたり…ハンモックでそっと寄り添っていました
保護猫の女の子「シア」ちゃんと「チャビ子」ちゃんは、Xユーザー・木綿さん(@siachabiko)との出会いを通じて、あたたかい家族の一員となりました。
願いが叶った、母娘猫との運命の出会い
保護猫カフェに通っていた時期から、いつか仲の良い2匹の猫を一緒に迎えたい——飼い主さんにはそんな思いがありました。
「シアチャビに出会う2年ほど前、保護猫カフェに通っていました。ただ当時の賃貸がペット不可だったため、飼えませんでした。念願のペット可の物件に引っ越して、『よし、猫と住めるぞ!!』と息巻いて保護猫カフェに行き、出会ったのがシアとチャビ子です」
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シアちゃんはお迎え時、推定3歳。チャビ子ちゃんは、シアちゃんの娘で推定2歳でした。
ふたりは母娘で、スタッフさんによるといつも寄り添って寝るほどの仲の良さ。初対面のときから、その控えめで愛らしい姿に心を奪われたといいます。
「2匹とも積極的に寄ってくることはないのですが、おとなしくなでさせてくれたり、たまにおなかを見せてくれたりして、控えめなところがいじらしく、とっても愛らしかったです」
何度も会いに通った末、ついに譲渡が決定。その日、カフェの2階からシアちゃんとチャビ子ちゃんがそろって降りてきた瞬間、飼い主さんは「運命」を感じたと話します。
2匹との暮らしがくれた、心の変化と小さな奇跡
迎えた当初、2匹はとても臆病で、なかなか姿を見せなかったそうです。野良猫としての生活から、保護猫カフェやトライアルなどを経て、ようやく辿り着いた新しい環境。怖がるのも無理はありません。
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「一番大変だったのは、そんな時期にシアを病院に連れていったことです。血便があり、病院へ行こうとしたところ、シアは察して逃げ回り、夫は顔、私は手のひらを爪でざっくりえぐられました」
それでも、震えながらもがんばるシアちゃんを見守り、キャリーごと抱きしめて通院を重ねました。無事に治ったときの安堵はひとしおだったといいます。
また、2匹との暮らしが始まってからは、生活リズムも変わりました。
「だらだらと残業せず、効率よく仕事をして終わらせるという意識が増しました。家に帰って玄関に入ると、扉越しにシアのシルエットが見えるんです。『お迎えに来てくれたんだね』と、とても嬉しい気持ちになります」
甘えん坊な女王と繊細な娘、それぞれの魅力
シアちゃんは甘えん坊で女王様タイプ。一方、チャビ子ちゃんは繊細で思慮深い子です。
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「シアは最初はおもちゃに無反応だったのですが、ある日突然激しく反応するようになりました。それ以来、好きなおもちゃを出すと、目をキラキラさせて飛びかかってきます」
撫でられるのが大好きで、最近はホットカーペットまで人間を誘導し、なでてと催促するようになったそう。
「チャビ子がいる場所をパンチして奪うなど、少々荒々しい一面もありますが、可愛らしいです」
一方のチャビ子ちゃんは、ちょっとした物音にも敏感なビビリ。でも、その反面、とても好奇心旺盛。
「新聞を広げていると上に乗ってきておしりトントンをせがんだり、背中をなでていると顔を向けてきて『顔周りなでて』とアピールしてきたり。少しずつ甘えん坊になってきているのが愛おしいです」
チャビ子ちゃんは、シアちゃんのことが大好き。いつも甘えにいき、シアちゃんもまんざらではない様子で毛づくろいをしてあげているのだとか。狭いところで寄り添って過ごすふたりの姿に、自然と笑みがこぼれます。
今、そばにいる奇跡とこれからへの想い
シアちゃんとチャビ子ちゃんは現在、それぞれ5歳と4歳に。日々の暮らしのなかで、飼い主さんはたくさんの愛しさを感じているといいます。
「まずシアには、『チャビ子のことを守ってきてくれてありがとう』と伝えたいです。小さな体で、チャビ子を育ててきたと思うと涙腺がゆるみます」
保護猫カフェ時代にも、チャビ子ちゃんが他の猫にちょっかいをかけられると、シアちゃんが間に入って守っていたといいます。
「チャビ子も小柄で童顔っぽくて、今でも子猫のようなあどけなさが残っています。ビビリで繊細で優しいため、これからはわがままを言える環境で安心して暮らしていってほしいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)