
生命は死後に転生するという考えから、現在の自分に生まれ変わる前の存在を「前世」といいます。仏教などの宗教による考え方のひとつですが、みなさんは前世の存在を信じているでしょうか。
【漫画】姫になっても、食べられた恐怖は消えない!?…「前々世までの記憶がある話」全編を読む
漫画家のまるかわさんが手がけた『前々世までの記憶がある話』は、前々世までの記憶がある姫の成長を描いた作品です。以前X(旧Twitter)に投稿されると、多くの人から注目を集めて5万もの「いいね」が寄せられています。
とある国の王の娘として生まれた姫は前々世までの記憶がありました。前々世は100年ほど前の女城主、前世は、その城に住む頭領ネズミで、前世のネズミ時代は、父の愛猫でオスの「レメディリア」によって食べられて絶命。姫が赤ん坊の頃は、まだ存命だったレメディリアが怖くて、よく泣いていたのでした。
姫が3歳になった頃、レメディリアは他界し、入れ替わるように王弟妃が男児を出産。彼が赤子の時に面会した姫は、妙に既視感のある目つきと感じたものの、時が経ちお姉さんとして彼の世話をするようになりました。
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そして、さらに時が経ち、王弟妃の息子である殿下は大人に成長して姫の婚約者に。しかし、姫は以前感じた奇妙な既視感を、最近になってたびたび感じるようになり、婚約者の眼差しに怯えていました。ある日2人はともに城内を歩いていると、急に殿下が「ここの花々だけはあなたが領主であった頃から変わらない」「あなたは城主として自害した日を覚えていますか?」と姫に尋ねます。
姫は理解が追いつかず困惑していると、殿下は自身が、姫の女城主時代に仕えていたまじない師だったことを告白。さらに、まじない師は暴動によって死に、呪詛の力を持っていたせいで死ぬ瞬間に呪詛が周りにもれ出したと話します。その呪詛の影響によって姫は何度も転生することになったのです。
信じがたい話を聞いていた姫は「恐ろしい目つきで私を見続けていたのは?」と聞くと、殿下いわく、姫のその後の様子を見守っていたとのこと。そして、「恐ろしい… そうか」と何かに気づいた殿下は「だから僕に怯えていたんですね…」「僕がレメディリアだった時から…」と告げ、姫は「はい!?!?」と驚愕します。
そして、殿下は自身の過ちを責め、婚約の解消を求めましたが、姫は「不要です」と拒否。さらに「もう少し私の人生に付き合ってくださる?」「今の私とあなたなら きっと仲良くなれそうだわ」と手を差し伸べるのでした。
転生後に結ばれる2人のエピソードに対し、読者からは「何度読んでも感動する」「予想外のハッピーエンドで良かった」などの好評の声が。そこで作者であるまるかわさんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。
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―同作を描いたきっかけを教えてください。
なろう系の中で令嬢もの・転生ものというジャンルを書いてみたくなったのがきっかけです。子供が赤ちゃんだった頃に猫がよくかまっていた思い出も要素としてあります。
―作中で特にお気に入りの場面があれば、理由と一緒に教えてください。
泣く赤ちゃんとご機嫌な猫の組み合わせは書いててとても楽しかったです。また、怖い顔を描くのが好きなので、成長した婚約者の顔はお気に入りです。
―同作を描き終え、改めてまるかわさんが「前世」に対して思うところをぜひお聞かせください。
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前世の記憶があったら覚えておくのが大変だろうなと思っていて、作中でも2人の前世の記憶が(特に主人公の方が)ふわふわしています。とはいえ前世(転生)をテーマにした作品は楽しいので、またいつかお話を思いついたら書いてみたいなと思っています。
―読者にメッセージをお願いいたします。
いつも応援いただきありがとうございます!今後もぜひぜひ見守っていただけたら幸いです。
◇ ◇
また、まるかわさんは商業作品として「コミックPASH! neo」にて、ジェルネイルが趣味の会社員「佐原啓子」が爪で魔法を使う世界に飛ばされる漫画『異郷の爪塗り見習い』を連載中。全5巻が発売されているので、気になる人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
(海川 まこと/漫画収集家)
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