



夫のマサトは漫画家で、私は彼のアシスタントをしていました。それなりの売れっ子だった夫は、いつも楽しそうに漫画を描いていました。そしてそんな夫を見つめながら、支えるのが私の生き甲斐になっていたのです。その後、私たちは結婚をして、娘のコハルが生まれました。夫はコハルのことを溺愛していました。
しかし、夫は突然亡くなってしまったのです。



コハルを育てるために、毎日必死で描きました。どんな内容でも依頼があれば描きました。私には仕事を選んでいる余裕はなかったのです。スケジュールがタイトになってしまうこともたくさんありました。けれど、どんなに忙しくてもコハルが学校から帰ってきたら一緒におやつを食べ、その日あったことを聞く、その時間だけはかならず確保してきました。

もともと絵を描くことは得意でしたが、私にそこまで突出した才能はありませんでした。
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楽しそうに漫画を描く夫の姿を見るのが大好きだったのです。
忙しい中でも絵を使ってコミュニケーションをとる夫とコハルの姿を見ていると、心の底から幸せを感じられました。
しかし夫が亡くなり、女手ひとつでコハルを育てていかなくてはいけない状況に。
コハルに寂しい思いをさせたくない。
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どんな仕事も必死にこなしてきました。
コハルが素直にスクスク成長してくれたことが、何よりのご褒美でした。
【第2話】へ続く。
原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・善哉あん 編集・石井弥沙
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