ロッテ・西川史礁[撮影=山下拓人] 「一軍で自分の弱いところがはっきり見えましたし、ダメだったところはここでしっかり修正してまた戻った時にすぐに活躍できるように、そういう準備を必死にやっています」。
ロッテのドラフト1位・西川史礁(青山学院大)は、再昇格を目指し、今は自身の課題と向き合っている。
青山学院大時代には大学生でありながら、『カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024日本vs欧州代表』の日本代表に選出され、昨年10月に開催されたプロ野球ドラフト会議ではロッテ、オリックスの2球団から指名を受けた逸材。
ロッテに入団した西川は、落合博満氏、初芝清氏、井口資仁氏といったマリーンズの右の強打者が背負ってきた“6”を与えられた。大きな期待を背負ってマリーンズのユニホームに袖を通した西川は、2月16日からの対外試合の成績は16試合に出場して、打率.403(62打数25安打)、1本塁打、9打点と結果を残し、開幕一軍の切符を掴み取った。
3月28日のソフトバンクとの開幕戦に『1番・レフト』でスタメン出場すると、1−1の6回無死一、三塁の第3打席、「内側にきたらもう回転で行こうと思っていたのでイメージしていた感じに打てました。初安打が良い場面で打てて良かったです。ボールは両親に渡したいですね」と、有原航平が1ボール1ストライクから投じた3球目のシュートをレフト前に勝ち越しの適時打。これがプロ初安打、プロ初打点、チームを勝利に導く一打となった。
西川は4月2日のオリックス戦の第3打席にセンター前に弾き返し、ZOZOマリンスタジアムで公式戦初安打を記録すると、翌3日のオリックス戦では、0−2の6回一死一塁の第3打席、エスピノーザが1ボール2ストライクから投じた4球目のカーブを遊安打で、球団新人の最多タイ記録となる開幕からの連続試合安打を5に伸ばした。しかし、この安打を最後に、5試合・19打席安打がなく、4月12日に一軍登録抹消となった。
2月の練習試合、オープン戦と結果を残して、シーズン開幕を迎えたが、相手投手の攻め方が変わったというのがあったのだろうかーー。
「インサイドがすごく多いと思って、そこに自分がまず、ハマってしまってダメだった。自分のスイングを、試合を積み重ねていく中で崩されてしまった。そこはしっかりといつきても打てる準備を今はしています」。
ただ、練習試合、オープン戦を見ていると、開幕直前の3月22日の巨人とのオープン戦では、0−3の5回二死一、三塁の第3打席、船迫大雅が2ボール2ストライクから投じた5球目のインコース143キロシュートをセンターオーバーの2点適時二塁打を放つなど、インコースに対応していた。開幕してからのインサイド攻めというのは、オープン戦の時と違ったり感じたのだろうかーー。
「真っ直ぐの質の高さは違いますし、それでもインコース捌けていたものがシーズン入って捌けなかったので、今はそこと向き合ってやっています」。
ファームに合流後、4月18日のヤクルトとの二軍戦で1試合5安打するなど、出場した全試合で安打を放ち、4月20日のヤクルトとの二軍戦でも初回の第1打席に適時打を放つなど2安打。
ここまでファームでは打率.467をマークしているが、自身の課題を取り組んでいる中で、打てている感覚はあるのだろうかーー。
「そうですね、自分のタイミングで打ちに行くことが大切だと思うので、まずは差されないタイミングで打ちにいくことが今一番意識しています。その中で、結果を求めてやっています」。
次回、昇格した時に一軍できっちりと結果を残すため、今はファームで技術向上、自身の課題克服に励む。最後に次回、一軍に上がった時に、どんな姿を見せたいか訊くと、「自分のスタイルを変えずに。上がった時に積極的なプレースタイルでやっていこうと思います」とキッパリ。シーズンが終わった時、この時期があったからこそ活躍できたと思えるような時間にしてほしい。一軍の舞台で躍動することをマリーンズファンは待っている。
取材・文=岩下雄太