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NTTドコモが2025年6月5日から、新料金プランを提供する。
今回は新たなプランを追加するのではなく、現在提供している「eximo」「eximo ポイ活」と「irumo」を刷新し、「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」「ドコモ mini」という4つのプランを新たに提供する。代わって、eximo、eximo ポイ活、irumoは2025年6月4日で新規受付を停止する。
中でも意外だったのが、irumoのリニューアルだ。irumoはドコモが2023年7月から提供している小容量帯のプラン。同年にNTTレゾナントを吸収合併したことで、レゾナントが提供していた「OCN モバイル ONE」の後継サービスとして新設した。ドコモはY!mobileやUQ mobileのようなサブブランドを持っておらず、低容量を求めるユーザーの流出が続いていたが、そこに歯止めをかけるべく、満を持してirumoを提供開始したという経緯もある。
それだけに、わずか2年足らずでirumoのサービスが終息を迎えるのは意外だった。既存ユーザーは継続して利用できるので、正確に言えば終息ではないが、今後はドコモ miniがirumoに取って代わるサービスとなる。
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●irumoとドコモ miniの違い、データ容量と特典にあり
ドコモ miniで選択できるデータ容量は、4GBと10GBの2つのみ。irumoでは0.5GB、3GB、6GB、9GBの4種類を用意しているが、これを一気に半減させた。特にインパクトが大きいのが、月額550円(税込み、以下同)の0.5GBがなくなったことだろう。
0.5GBプランは、もともとOCN モバイル ONEでも提供されており、このプランを利用していた人の受け皿として、irumoでも残していた。また、0.5GBプランでは各種割引が適用されないが、550円という安さで契約できることから、スマホのデータ通信をほとんど利用しないライトユーザーに適したプランともいえる。
dカード、ドコモ光、ドコモでんきなどの利用を条件とした各種セット割を適用すると、ドコモ miniの月額料金は4GBが880円、10GBが1980円になる。irumoの割引適用後の料金は、3GBが880円、6GBが1540円、9GBが2090円なので、割引を適用すると、ドコモ miniの方が、より多くのデータ容量を同額または安く利用できる。
ただし割引適用前の料金はドコモ miniの方が高い。これは、ドコモ miniの方がセット割の割引額が大きいため。「dカードお支払割」はirumoの187円から550円に、「ドコモ光 セット割/home 5G セット割」はirumoの1100円から1210円に増額している。また、ドコモ miniでは月額110円を割り引く「ドコモでんきセット割」を新設している。
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もう1つ、ドコモ miniでは、Amazonプライムの登録から最大3カ月間、月額会費にあたる600円を最大3カ月間割り引き、割引終了後は毎月120ポイントを還元する。
ドコモのサービスを利用すれば、料金プランもよりお得になるのがドコモ miniの特徴であり、この点は非常にうまく設計されていると感じる。
●データ容量を4種類から2種類に減らした理由
データ容量をirumoの4種類から2種類に減らした理由について、NTTドコモ 代表取締役副社長 コンシューマサービスカンパニー長の齋藤武氏は、「お客さまのデータの利用状況を見ると、右肩上がりで増えている。(irumoでは)4つ細かく区切っているが、より分かりやすく提供するという観点でいうと、2つでおよそ対応できると考えている」と話す。
また、irumoの0.5GBは安価に契約できることから、MNPの弾として使われていた部分があったことも齋藤氏は認めた。
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一方で気になるのが、OCN モバイル ONEからの移行促進だ。ドコモは「OCN モバイル ONE→irumo移行特典」として、OCN モバイル ONEからirumoに乗り換え、指定の機種を購入すると、dポイントを還元するキャンペーンを実施している。irumoの0.5GBプランは、OCN モバイル ONEユーザーへの救済措置ともいえるが、これをなくすことの弊害はないのだろうか。
ドコモ コンシューマサービスカンパニー マーケティング戦略部長の山本明宏氏に聞いてみたところ、0.5GBプランは「OCN モバイル ONEからの移行先としてある程度来ていただけたので、役割を終えたと思っている」と話す。
「0.5GBは普通にお使いになると、足りなくなる。自宅で光回線を使っている方はたくさんいらっしゃるが、外に出たときにも使ってほしいという思いがあるので、0.5GBは思い切ってやめた」(山本氏)
「(irumoの)3GBを(ドコモ miniでは)4GBとしたので、4GBで880円なら十分使える」とのことで、小容量帯プランとして競争力があることを示した。
ドコモは2026年3月31日に3Gサービスを終了するが、3G(ケータイ)からスマートフォンへの移行先として、irumoの0.5GBプランは適している。ただ山本氏によると、ケータイからの移行で0.5GBプランはほとんど選ばれていなかったという。ケータイからの移行ユーザーに好評なのは、1GBを1000円台で利用できる「はじめてスマホ割」だそうで、0.5GBがなくなっても問題ないとの認識だ。
●irumoがドコモのプランと認識されていなかった
irumoが発表された当初、「名前が分かりにくい」との指摘があったが、この分かりにくさを解消できなかったことも、プラン改定につながったようだ。山本氏によると、eximoとirumoのどちらが大容量で、どちらが小容量なのかが分からない人も多く、「ドコモのプランであることすら認知いただけないジレンマもあった」と振り返る。
今回は「mini」がプラン名に付いたことで、小容量帯プランであることは伝わりやすくなった。後は0.5GBがなくなったことの影響が本当に軽微なのかどうかは、気になるところだ。なお、既存のirumoユーザーは新規受付終了後も継続して利用できるので、0.5GBで回線を持ちたい人は、6月4日までに申し込んでおこう。
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