「入れる」「感じる」性的発言で盛り上がる男子小学生「本っ当に気持ち悪い」苦悩する女性教員

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2025年05月01日 07:00  まいどなニュース

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女性教師にぶつけられる男子小学生のセクハラ発言とは(buritora/stock.adobe.com)

「本っ当に気持ち悪い」
40代の小学校教諭ユキコさん(仮名)は、軽蔑(けいべつ)混じりの口調で悩みを吐露する。教室で男子児童から受ける卑猥(ひわい)な言動の数々。男性器や女性器について笑いながら声に出し、女性教員や女子児童の反応を横目でうかがう。そんな振る舞いにセクハラ被害と変わらない不快感を抱きながらも、教諭という立場上、平静を保ち対処するしかないのが実情だ。兵庫県の公立小学校で教壇に立つユキコさんに話を聞いた。

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「小学校高学年の男子になると性的なことに興味を持つようになる。それは当然のことで、今まで余り気にしたことがなかったんです。でもここ数年、高学年男児の振る舞いが余りに露骨になってきた」

ユキコさんは兵庫県内の公立小学校で教員になって約20年になる。現在勤務する小学校は、世間的には比較的生活水準が高く、教育への関心も高いエリアとみられている地区にある。にも関わらず、校内では担当する児童たちのセクハラ的な言動の悪化に悩まされている。

「今いる学校の高学年がそもそも『荒れている』というのはあります。それにしても、今までこれほど児童から『下ネタ』を見聞きしていたかどうか。日常茶飯事すぎて、具体的に挙げていくと切りがない」。ため息をつき、ここ1、2年で目の当たりにした高学年の不適切な行動を教えてくれた。大抵は複数人の男子が面白がって行っていたという。

男性器や女性器の名称を大っぴらに口にし、授業の進行を妨げようとすることもあるが、このような露骨なケースは少ない。多くの場合は、児童が「卑猥な表現」をちらつかせながら、周囲から注意を受けると「誤解だ」などと発言を否定する手口だ。ほかにも「感じる」「入れる」といった日常で使われる言葉に過剰に反応し、性的な文脈に引きつけてグループ内で笑い合う。「例えば、『かごに入れてね』と言うと、やたらと反応するんです」。こそこそと卑猥なジェスチャーを交えることもある。

「ある時、図工の授業での制作で、男性器のような立体物を作ってこちらに見えるようにしていた子どもがいました。提出時には作り替えていましたけど。同じようなことをする子はほかにもいて、それっぽい絵を描いていることがありました」

「あからさまな言動の時は『聞きたくない人もいるでしょう?』と注意します。でも注意すると『そういう(性的な)意味で言ってない。そういう(性的な)風に捉える先生がやばい』と言い返してくる。教室の外に連れ出して指導することもあります。でも授業が遅れてしまうので、どうしても無視したり流したりすることが多いです」

「自分がぎょっとする反応を見て、子どもが喜んでいると、大人の痴漢やセクハラに対して感じたのと同じ気持ち悪さを覚えることがあります。恥ずかしそうな顔をしている女の子を見て喜ぶとか、痴漢と一緒。なぜそれがそんなに楽しいのか…」

学校の外でしたら犯罪になりうることを伝えることもあるが、一朝一夕に振る舞いが改善されるわけではない。ユキコさんは子どもとの接し方や児童心理に関する本を読んで日々改善の手だてを探っている。

【後編】「教室で卑猥な言動、首謀者はスクールカースト上位の男児、スマホで情報収集、『クスクス…』同調する男子たち、沈黙強いられる女子児童」では問題行動の中心にいる男子児童の特徴や、セクハラ的言動に対処しきれない学校現場の実情、沈黙を強いられる女子児童の存在について報告する。

(神戸新聞 那谷享平)

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