Co2排出量削減の取組 地球と財布に優しい冷房節電テク〜五感で涼を感じる工夫まで

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2025年05月04日 11:04  日本気象協会

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日本気象協会

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2025年の夏も猛暑が予想され、冷房などを効率的に使用して熱中症を予防していくことは大変重要です。その一方、冷房によるエネルギー消費を適正レベルに保ち、Co2の排出量を少しでも減らす取り組みをしていくことも重要な課題です。冷房を使用する際は地球にもお財布に優しい使い方が求められています。気圧配置や風をよんで涼をとる工夫、聴覚や視覚など駆使しながら涼感アップをはかる取り組みも行い、猛暑を乗り切っていきましょう。

エアコンの温度設定 27度⇒28度 Co2の年間削減量は12.97kg

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経産省 資源エネルギー庁の発表によると

家庭からのCo2(二酸化炭素)排出量は、電力使用によるものが最大で、全体の約半分(2022年度)を占めています。うち冷房によるエネルギー消費量の割合は、1973年比の2倍以上に増加しています。

同資料を更に詳しく見ると、

1)外気温が31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日)、年間では、Co2の削減量は12.97kg、電気代は約820円の節約。

2)冷房の使用を1日1時間短縮した場合(設定温度28℃)、年間では、Co2の削減量は8.05kg、電気代は約510円の節約。

3)エアコン(2.2kW)のフィルター清掃を月に2回実施すると、年間では、Co2の削減量は13.70kg、電気代は約860円の節約。

などの具体的な試算があります。

これらの取り組みは、お一人お一人が習慣づける意識を高めることで、低いハードルで実施可能となるでしょう。地球にもお財布にも優しい取り組みを、今すぐ皆さんで始めましょう。

【出典】経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ家庭用 2024年版

冷房の効率的な利用法

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・冷たい空気は下に溜まりやすくなります。サーキュレーターや扇風機も同時に利用して、室内の空気を良く循環させましょう。体感温度も下がり、涼感アップも期待できそうです。
・風向きは水平にしましょう。
・日差しが直接部屋に差し込まないようにカーテンやすだれを使用しましょう。
・室外機の周囲には物を置かないようにしましょう。

夏の日本海高気圧 沿岸部を中心に北寄りの海風で涼風も

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自然の風も上手に併用しながらエアコンを適宜使用する方法を考えてみましょう。

高気圧が日本海に中心をもつ気圧配置の場合、高気圧は時計回りの風となるため、北陸地方など日本海側の沿岸部を中心に、1日を通して海風(北陸地方では北寄りの風)が卓越します。梅雨時や夏の太平洋高気圧の勢力が一時的に弱まり、日本海高気圧が顕在化した場合、沿岸部を中心に「海風で涼をとれるチャンスもある」ということです。

また、風は地形の影響を受けやすく、風が強まると、内陸部でも南北走向の河川や道路沿いを中心に、しっかり海風が入ることもあるのです。帰宅時などに室内に熱気がこもっている時は、防犯上の問題が無ければ、まず、風の通り道となる二方向の窓を開けて換気を行いましょう。部屋の暑い熱気を逃がしてから冷房のスイッチをonすれば、冷却効果は高まります。また、海風のみで、思いの他涼感アップにつながるケースもあるのです。このサイトで、気圧配置や風向きにズームインしてお近くの地点の実況などを確認しながら試して頂くのもおすすめです。

「冷房のスイッチをon」することは、指1本のワンアクションでいとも容易いことですが、まずは、自然の風も利用できないかを確認することが、結果的に地球にもお財布にも優しい取り組みにつながることもありそうです。

風鈴の音色で涼感アップ

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風鈴の音が鳴っても、その周囲の気温は低下しません。それでも、日本人が風鈴の音色を聞くと、涼しさを感じやすくなったり、実際に皮膚の表面温度が下がったという報告もあるのです。

脳の中では、「音を聞く場所」と「涼しさを感じる場所」はまったく別の場所にあるようです。ただ、風鈴の音を聞くと風が吹いて涼しくなるという体験を過去に何度もしている日本人ほど、この二つが結びついて、「風鈴⇒涼しさ」を連想させる条件反射がおこっているというのです。

風鈴の素材は、ガラス製や陶器製、鉄、銅、真鍮などの金属製など様々あり、視覚でも涼を感じられる物があります。中には、複数の組み合わせで耳に心地よい和音を奏でられる物もあるようです。お好みの音を探してみては如何でしょうか?

小川のせせらぎ・滝や波の音 ヒーリングや体感温度を下げる効果

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小川のせせらぎ・滝や波の音、青や水色などの涼しい印象を与える色などは、心身をリラックスさせたり、涼感を得られる効果があります。実際に現地を訪れて聴覚・視覚・触覚・嗅覚などを駆使して体感するのが最も理想的です。

ただ、屋内でもビジュアルインパクトのある大画面で見るなどして、同様のヒーリングや体感温度を下げるなどの効果も期待できそうです。

楽曲の「調性」でも変わる? 体感温度

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多くの西洋音楽を中心とした楽曲には調性があります。作曲者はそれに意味を持たせ、曲名に表示しているものもあります。ハ長調やニ長調などの「長調dur」、イ短調やホ短調などの「短調moll」がそれです。

ハ長調は、「#」や「♭」が1つも無い「長調」の代表格です。とてもポピュラーな楽曲としては、ベートーヴェン作曲の交響曲第5番【運命】の第4楽章がまず挙げられそうです。明るく分かりやすく、圧倒的なスケール感や壮大さがあり、元気が出る楽曲でもあります。

ヘンデルの【水上の音楽】は、テムズ川で王が舟遊びをする際のBGMとして作曲されました。第2組曲にあるメジャーな「アラ・ホーンパイプ」ニ長調は、「#」が2つの調性で、トランペットが活躍する華やかな響きがあり、祝賀ムードに満ちています。

短調でも、「#」や「♭」が1つも無い調性であるイ短調があります。【スコットランド】の愛称で知られる、メンデルスゾーン作曲の交響曲第3番です。第1楽章は、哀愁を帯びながらも流麗な旋律が続きます。悲劇的な感情はやがて昇華してロマンティックな情動につながることもありそうです。

音楽には人の心を揺さぶる力があります。その一方、人の身体は身長・体重・顔など千差万別。救急車のサイレンや緊急地震速報のアラート音を聞いて安らぎを感じる人はまずいないと思いますが、受け手によって身体が共振する音楽は異なるでしょう。様々な調性の異なる楽曲を聴き比べて、体感温度が下がる自分好みの曲を探してみては如何でしょうか?

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