レヴァークーゼンを率いるシャビ・アロンソ監督 [写真]=Getty Images レヴァークーゼンは9日、現在同クラブの男子トップチームを率いるシャビ・アロンソ監督が、今季限りで退任することを発表した。
今シーズンを無冠で終えることが既に決まっているレヴァークーゼン。今季のブンデスリーガの試合が残り2つとなったタイミングで、X・アロンソ監督の今季限りでの退任が伝えられた。レヴァークーゼンの発表によると、X・アロンソ監督側から、2026年夏まで残っている現行契約を今季限りで解除したいとの申し出があり、クラブ側がこの申し出を了承したのだという。
今年4月には、レヴァークーゼンの最高経営責任者(CEO)を務めるフェルナンド・カロ氏が、X・アロンソ監督との間に“紳士協定”が結ばれていることを告白。「彼がかつて所属していたクラブからオファーが来た場合には、私たちは話し合いの場を設け、彼の邪魔はしないというものだ」とその内容を明かしており、今回はこの“紳士協定”によって、双方合意の下で契約が解除されたと見られる。なお、X・アロンソ監督の後任は、追ってクラブより発表される。
X・アロンソ監督は3シーズンにわたって指揮を執ったクラブを通して、次のようにコメントを発表している。
「レヴァークーゼンの選手、スタッフ、クラブの全従業員、そして素晴らしいファンのみなさんに感謝を伝えたい。近年の我々が成し遂げた成功は、皆さんを含めたチームパフォーマンスの結果なのだから」
「ブンデスリーガで初優勝できたことは、私に並々ならぬ信頼を寄せてくれたこのクラブにふさわしいこと栄誉だったと感じている。。ベルリンでのDFBポカール優勝を含め、これらの勝利を現実のものとしてくれたすべての人々に感謝と愛情を捧げたい」
「レヴァークーゼンは未来への準備ができている。このクラブはこれからも、前向きな道を進んでいくだろう」
X・アロンソ監督は1981年11月25日生まれの現在43歳。現役時代にはレアル・ソシエダ、リヴァプール、レアル・マドリード、バイエルンなどで活躍し、スペイン代表としてもFIFAワールドカップ南アフリカ2010で優勝に貢献した。2017年夏の現役引退後は指導者に転身。2018−19シーズンに古巣であるレアル・マドリードのカンテラで1年間監督を務めた後、2019年夏にレアル・ソシエダBの監督に就任。2年目の2020−21シーズンに3部リーグ優勝を果たしたものの、3年目はラ・リーガ2部で20位に終わり、2022年夏に退任していた。
数カ月間はフリーの状態が続いたものの、2022年10月には、当時ブンデスリーガの自動降格圏に沈んでいたレヴァークーゼンで監督に就任。トップチームを率いるのは自身初だったが、初年度からその手腕を発揮し、低迷していたチームをブンデスリーガ6位、ヨーロッパリーグ(EL)でベスト4へ導いた。
翌2023−24シーズンは開幕直後から進撃。最終的には28勝6分と無敗でシーズンを駆け抜け、クラブに初のマイスターシャーレをもたらした。自身の現役時代から続くバイエルンのブンデスリーガ連覇を「11」で止め、ブンデスリーガ史上初の無敗優勝を成し遂げただけでなく、DFBポカールでもクラブとして31年ぶりに頂点に立ち、国内2冠を達成。ELでは決勝でアタランタに0−3で敗れ、3冠は逃したものの、公式戦で敗れたのは同試合のみだった。
今季開幕前には、選手時代の古巣であるリヴァプールやレアル・マドリードからの関心も報じられたなか、今季もレヴァークーゼンの指揮を継続。ブンデスリーガでは第32節終了時点で19勝11分2敗の勝ち点「68」を獲得したが、バイエルンに“覇権奪還”を許した。DFBポカールでは準決勝で3部のビーレフェルトに1−2で敗れただけでなく、CLでもラウンド16でバイエルンに2戦合計0−5と完敗。前述のとおり、今季は無冠で終えることが決まっていた。
なお、X・アロンソ監督は今季限りでの退任を発表したものの、“休暇”に入るわけではなさそうだ。ドイツメディア『スカイスポーツ』やスペインメディア『マルカ』などの情報によると、既に行き先はレアル・マドリードに決まっているという。レアル・マドリードでは、2026年6月末まで契約を残すカルロ・アンチェロッティ監督の今シーズン限りでの退任が既定路線となっており、X・アロンソ監督は2028年6月末までの3年契約を締結する模様。現時点で公式発表はされていないが、X・アロンソ新監督の誕生は、時間の問題と言えそうだ。
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