
働いていると、「それ、おかしくない?」と言いたくなるような出来事が起こることが割とある。入社間もないと、辞めるという選択をする人も中にはいるだろう。
京都府に住む40代の男性から、15年ほど前の理不尽な体験談が寄せられた。男性は当時、1か月の研修を経て正社員として雇用されることが決まっていた。研修期間は時給制で、その額は当時の最低賃金だった。
そして研修後、待ちに待った正社員雇用に向けた面談で、社長から耳を疑う言葉を告げられたのだった。(文:天音琴葉)
「研修で社会保険をつけない時点でおかしいと思うべきでした」
社長は次のように言い放ったという。
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「給料を正社員と同じ水準にするか、保険を社会保険つけるかどっちがいい?」
この選択肢自体がおかしいが、男性は「そもそも研修の時点で社会保険をつけない時点でおかしいと思うべきでした」と当時を振り返る。
健康保険、厚生年金、雇用保険などの社会保険には、研修中の従業員でも要件を満たしていたら加入させなければいけないから、男性の指摘はもっともだ。だが当時は生活のため、異議を唱えることなく、「給料を正社員の水準に」と答えたという。
ところが結局、男性はこの会社を退職することとなる。そこはシートベルトに関わる部品を製造する会社だった。言うまでもなくシートベルトは命綱である。ところがその会社の意識は、男性とは相容れないものだった。
「品質に対する考え方があまりにも雑過ぎて、当時の会長、副社長と口論になり退社しました」
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男性はこの経験から、焦って仕事を探したことを後悔し、退職後は雇用保険を使って職業訓練校に通いながら仕事を探すことにした。ところが衝撃の事実が発覚する。会社は、雇用保険料を支払っていなかったのだ。
正社員雇用の際に有り得ない二択を迫られた男性が、社会保険に入らず代わりに給料を上げてもらうほうを選んだからだろうか。そうだとしても前述の通り、要件を満たしている従業員を社会保険に加入させないことは、本来あってはならないはず。
「そんな会社が今も潰れていないのですから怖いです……」と投稿を結んだ男性は、理不尽な経験を乗り越え、現在は電池メーカーのエンジニアとして年収700万円を得ているそうだ。当時の悔しさがキャリアを築く上での一つの原動力となったのかもしれない。
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