ロッテ・安田尚憲 「1日1日ですけど、なんとかヒットが出ているのでこのまま継続してやっていきたいと思います」。
ロッテの安田尚憲は5月15日に一軍再昇格を果たしてから、ここまで9試合、打率.310、2打点の成績を残し、22日のオリックス戦から現在5試合連続安打中だ。
『4番・三塁』で出場した27日のオリックス戦、3−0の5回二死走者なしの第3打席、九里亜蓮が2ストライクから投じた3球目の129キロカットボールをライト線に二塁打。
続く3−0の7回無死二塁の第3打席、阿部翔太が3ボール2ストライクから投じたスプリットをセンターオーバーのあたりかと思われたが、センター・中川圭太の好守備に阻まれ中飛、6−0の8回二死一塁の第5打席、井口和朋が1ストライクから投じた2球目のストレートも力強い当たりの右飛と、アウトになったが第4打席、第5打席ともに捉えた当たりだった。
◆ バットを長く持ち好結果
安田はプロ8年目の今季、春季キャンプは都城組でスタートし、沖縄本島の練習試合から一軍に合流。2・3月の練習試合、オープン戦は23試合に出場して、打率.208(53−11)、5打点だったが、開幕を一軍で迎える。
開幕から2試合守備固めで出場したが、4月2日に一軍登録を抹消された。ファームでは「練習量も多かったですし、サブローさんにもいろいろ指導していただいて、そこの1ヶ月半くらいはしっかりと野球に打ち込めたのかなと思います」と振り返る。
「ずっと(バットを)短く持ってファームでもやっていたんですけど、ファームで過ごした最後の1週間、2週間くらいはもう1回戻そうとなって、堀さんとかとティーをしながら、もう1度前までやってきた形でやったら、ヒットも出だしたのでそれで戻した感じですね」と、再びバットを長く持つようになった経緯を説明。
安田が話すように、昇格前の最後の1週間となった5月7日〜14日にかけてのファームの打撃成績は、13打数7安打、打率.538と打ち、5月4日のヤクルト二軍戦後に一時.217まで落ち込んだ打率も、14日のくふうハヤテ戦後には打率.268までアップ。状態を上げて15日に再昇格となった。
再昇格後の打撃を見ると、課題にしていた左投手(20年:打率177、21年:打率.211、22年:打率.279、23年:打率.188、24年:打率.118)に対して、打席数が少ないとはいえ、10打数4安打、打率.400と打っている。
そこに関して安田に訊くと、「まだ全然データも少ないので、これからだと思うんですけど、しっかり右左関係なく打てるようにしないと、なかなか試合に出られないと思うので、はい」と謙虚に語った。
自主トレ期間中に「打てるボールをしっかりとコンタクトできるように。確実性を上げて、強い打球をどんどん打てるように」と話していたが、現在は「今のところはそれが少しずつできているかなという感じで、練習の感じも悪くはないのでこれを継続できたらなと思います」と話した。
プロ1年目からたくさんのノックを受け、徹底的に鍛えてきた三塁の守備は、素晴らしいものがある。「とにかく打つしかないと思うので、打って、打っていくしかないかなと思います」。好不調の波を小さくし、安定して打ち続ければ、レギュラーも見えてくる。今季こそポジションをモノにしたい。
取材・文=岩下雄太