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5月27日、兵庫県の斎藤元彦知事(47)の疑惑を告発した元県民局長の男性(’24年7月に死去)の私的情報が漏えいした問題をめぐり、県の第三者委員会は斎藤氏の側近だった井ノ本知明元総務部長(57)が漏えいしたと認定した。
「元県民局長の男性は’24年3月、斎藤氏のパワハラ疑惑などを告発した文書を匿名で報道機関に配布。これを把握した斎藤氏は、当時副知事だった片山安孝氏(64)や井ノ本氏らに“告発者探し”を指示し、男性を特定したのですが、その過程で男性の公用PCを徴収していました。
今回、第三者委員会が公表した調査報告書では、’24年4月、3人の県議が井ノ本氏からPCに保存されていた私的情報をプリントアウトしたものを見せられ、その内容を口頭で説明されたと証言。井ノ本氏はその場で、『こんな人間が作った文書信用できるわけないやろ』とも口にしていたといいます」(地元紙記者)
井ノ本氏は第三者委員会の聴取に対し、県議の証言を一部認めつつ、斎藤氏から当初「そのような文書があることを議員に情報共有しといたら」と指示されたと説明。そのほか、この場にいた理事(当時)は片山氏に対し、斎藤氏から指示があったことを報告。これを受けた片山氏は、「知事から井ノ本氏に対し、『私的情報について議会と情報共有しておくようにとの指示があった』と聞いたので、特に反対もせず根回しするよう指示した」と証言している。
いっぽう、斎藤氏は聴取に対し、あくまでも井ノ本氏独自の判断による「情報共有(いわゆる根回し)」と自身の関与を否定したが、第三者委員会は「知事と副知事の指示により『根回し』の趣旨で漏えいを行った可能性が高い」と評価。
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そんななか迎えた5月28日の定例会見では、多くの記者から情報漏えいに関与したか否かが問われたが、斎藤氏は一貫して否定。行為に関する自身の証言が、第三者委員会に認められなかったことについては、「私が(第三者委員会に)答えさせていただいたことが、伝わっていないことは大変残念」と不満も口にした。
そのほか、井ノ本氏や片山氏などの証言と、斎藤氏の主張に“食い違い”が生じていることについて、記者から「知事としては元総務部長らが虚偽を言っているという認識か」と問われると、斎藤氏は「私としては指示をしていないという認識。それぞれの立場で認識を述べられたという風に思う」と回答。いっぽう、情報漏えいの指示に関する疑いについて、自身に“誤解に繋がるような発言”があったかも問われたが、これは否定した。
定例会見は同日15時から開始されたが、この日の斎藤氏は18時から公務(懇親会)を控えていた。そのため、会見開始から約1時間が経過すると、司会から「(質問は)あと2人とさせていただきます」というアナウンスが。すると、会場ではこんな声が上がった。
「今日はいっぱいやってください!時間過ぎてますけど」
「1時間で終わるのは不当です」
「公務、次は18時からですよね」
さらに、幹事社の記者からも「先ほどから会見を延長してほしいという要望もありますので、まだまだ手を挙げている者もおりますので、時間の許す限り精一杯やっていただきたい。特に今回は第三者員会を受けた後の会見。極力長くやっていただきたいと思います」というオーダーが寄せられていた。
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結果的に追加で2人に質問機会が与えられたが、その後、ある女性記者による質問の途中、斎藤氏が会場を後にしようとすると、フリージャーナリストの男性から「人の話を途中で折るなよ!無礼者!行儀悪い!戻れ!」と怒号が飛んだ。斎藤氏はこの声に押されるかのように会見台に戻るも、今後“食い違い”に関する究明を行うことには消極姿勢だった。
“藪の中”状態となり、益々混迷を極める一連の問題。果たして“真実”が明らかになる日は――。
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