「備蓄米を放出しすぎ」JAが“コメ政策”に反論、震災を心配するもSNS冷ややか「利権を守りたいだけ」

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2025年05月30日 17:00  週刊女性PRIME

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価格が上がり「贅沢品になってしまった」との声もあるお米

 小泉進次郎新農林水産大臣によって備蓄米流通の改革が始まった。29日には、大小売業者を対象とした備蓄米の随意契約に申請があった約70の事業者から、審査を通過した61社が発表されるなど、連日動きを見せている。

「いま震災が起きたら備蓄米ない」

 その改革によって、複雑な心境を抱くのはJA(農業協同組合)だ。JA福井県五連の宮田幸一会長は27日に記者会見を開き、「備蓄米放出によって生産者米価が下がると、農家の生産意欲が低下する」と生産者への影響を危惧した。

 また、JA福井県中央会の永井候専務理事は「備蓄米の定義は、何かあったときのためのものではないのか」「これだけ放出すると、去年夏のように南海トラフが危ないという話になったらどうするのか。本当に起きたらどうするのか。備蓄米はもうない、となる」と震災時の備えに関して不安を漏らした。

 さらに、随意契約によって、JAなどの集荷業者は「飛ばされたと思う」と、政府から直接小売へ渡されることへの本音を語ったのだ。

「宮田会長は、JAを介すことで米の価格が上がることを否定。『JAで価格を調整するなんてできない』と農協への批判があることに反発し、JAはあくまで集荷業者であることを強調したのです。さらに『農家のコメを集荷し、卸に販売するのが主な業務。卸の方で価格については考えているのではないか』とコメントしていました」(経済ジャーナリスト)

 JAとして生産者を守るという姿勢を見せたものの、その真意は国民には届くことはなかった。ネットでは、JAの在り方に批判が止まない。

《JA全農も中間業者とグルになって中抜きで儲けているのではないかと疑われても仕方ない》
《いくら言い訳しても、説得力がない》
《JAが守りたいのは農家でも何でもなく、自分たちの利権でしょう》

 さらに過去には、JA側は米の価格について危機感のない発言をしており、そういったことも国民からの信頼を得られていないことに影響するのではないかと前出・経済ジャーナリストは振り返った。

「13日には、全国農業協同組合中央会の山野徹会長が記者会見を開き、米の価格について、政府備蓄米放出の好影響が現れているとし、『決して高いとは思っていない』と価格が高いものではないと発言。

 しかし、当時販売されていたお米の5キロ当たりの平均価格は4214円。最高値から20円弱下がった程度で、消費者としても下がった実感はほぼなく、2024年の同時期に比べて2倍近い価格は変わっていませんでした」

 この発言は当時も“価格を下げる気がない”などと批判を生んだ。国民とJAとのズレが垣間見えていたが、早くも市場に低価格で米が提供される見通しが立ってきたことを受け、JAへの批判がさらに強まりを見せる。

「これまで備蓄米は、オークション形式の入札で3回出品されていましたが、そのほとんどをJA全農が落札しています。しかし、その安く買った米が店頭に並ぶことで、高い米が売れなくなるなどを心配して備蓄米放出が遅延したのではないか、などさまざまな見立てもあります。

 どちらにせよ、不透明な部分が多く、国民としてはJAの存在意義を見出せていないのでしょう。今回の会見での発言も“飛ばされた”側の負け犬の遠吠えのように聞こえてしまいました」(前出・経済ジャーナリスト)

 長い歴史のある組織は、いま変革の時を迎えているのかもしれない。

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  • 放出分のほとんどを懐にしまってブロックかけたのが全農なんやろ (´・Д・)」
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