「売り手市場」「本当に羨ましい限りです」就職氷河期世代・44歳派遣社員が“バブル世代”に抱く不満…

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2025年05月30日 20:51  All About

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All About編集部は就職氷河期世代の人を対象に、就職活動での経験や現在の年収や暮らしへの影響などに関するアンケートを実施。今回は、愛知県在住44歳男性のエピソードを紹介します。※サムネイル画像:kt-studio/PIXTA(ピクスタ)
夏の参院選を見据えて、与野党が支援策を打ち出したことで、「就職氷河期世代」が注目を集めています。1993〜2004年ごろの雇用環境の厳しいときに就職活動をした就職氷河期世代は、今の40〜50代前半が中心で全国に約1700万人以上。

厚生労働省の財政検証では、30年後にもらえる基礎年金は3割減るとされ、低年金化が危ぶまれています。

All About編集部は就職氷河期世代のユーザーを対象に、就職活動での経験や現在の年収や暮らしへの影響などに関するアンケートを実施。彼らは今、どのような思いを抱いて生活しているのか。今回は、愛知県在住44歳男性のエピソードを紹介します。

回答者のプロフィール

回答者本人:44歳男性
家族構成:独身(子なし)
雇用形態:派遣社員
職業:事務職
世帯年収:350万円
現在の年収や暮らしに満足しているか:満足していない

面と向かって言われることもザラ

男性は就職活動で苦労したりつらい思いをしたりしたことがあると回答。

「特に苦しかったのは合同企業説明会です。広い会場に何百という企業がブースを出しているのに、自分の興味のある企業のブースは長蛇の列で、なかなか話を聞けませんでした。やっと話を聞けても、『もう採用は終わった』とか、『君の学歴じゃ厳しい』と面と向かって言われることもザラでした」

また、就職活動時に言われてショックだった言葉があると言います。

「合同説明会の場で、ある企業の採用担当者から言われた『うちは人が余ってるから』という言葉が、本当にショックでした。単に不採用を告げられるよりも、そもそも最初から枠がないという無力感を突きつけられた気がしました」

就職活動の結果には満足できなかったと回答。

「就職活動で長く大変な思いをしたにも関わらず結局正社員になれず、希望とは程遠い職種でのスタートだったからです」

将来への漠然とした不安が常に付きまとう

男性に就職氷河期が現在の年収や暮らしに影響を与えているかと聞いたところ、あると回答したうえで、「正社員の職を得られず、年収も低水準のままで、非正規ゆえの将来への漠然とした不安が常に付きまとっています。老後のことを考えると、本当にこのままで大丈夫なのかと、日々プレッシャーを感じています」とコメント。

男性が一番羨ましいと思う世代は60代以上で、「バブル世代の方々は就職活動においては『売り手市場』で企業から引っ張りだこだったと聞きますし、入社後も終身雇用が当たり前で、給料も右肩上がりだった時代だと思います。

努力すれば報われる、将来に希望が持てる、そんな当たり前のことが享受できた世代だと思うと、本当に羨ましい限りです」と、世代間ギャップに不満を抱いている様子がうかがえました。

最後に、国や行政に伝えたいことを聞きました。

「就職氷河期世代への具体的な支援を、もっと手厚くしてほしいと強く願っています。非正規雇用で不安定な立場にある者が多く、将来への不安は尽きません。正社員化への支援強化や、再教育の機会を実質的な形で提供し、経済的な安定と社会参加の道をもっと広げてほしいです」

就職氷河期世代は、安定した職に就きにくく収入の不安定な非正規雇用で働く期間が長かったため、老後生活への不安を感じている人もいるでしょう。男性が言うように、就職氷河期世代へのさらなる支援が必要なのかもしれません。

<参考>
厚生労働省「就職氷河期世代の方々への支援のご案内」

<調査概要>
就職氷河期世代に関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査期間:2025年5月23日
調査対象:全国30〜50代の100人(男性:48人、女性:51人、回答しない:1人)

※回答者のコメントは原文ママ
(文:All About 編集部)

このニュースに関するつぶやき

  • バブル世代の何が問題かって本人が遊んでたかは割とどうでもよくて、今の70代とかがバブルのときに高度成長と勘違いしてイエスマンの凡人をバブルの途中で大量に出世街道に
    • イイネ!1
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