パンダ返還で54年ぶり“ゼロ”に…外交メリットは「中国7割、日本3割」驚愕の事実と“レンタル料”

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2025年06月01日 09:10  週刊女性PRIME

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6月に日本を離れる、アドベンチャーワールドの楓浜

 今年6月、和歌山県のアドベンチャーワールドで飼育されているパンダ4頭が、中国に返還される。'94年から日中双方で取り組んできたジャイアントパンダ保護共同プロジェクトの契約が、今年8月で満了するためというが、アドベンチャーワールドのある白浜町が中国の成華区との友好都市提携を断ったからという話も。

“パンダ外交”の実態

 また、来年2月には上野動物園のシャオシャオとレイレイも返還され、いよいよ日本はパンダがゼロの国になる。これまで中国の外交カードの1枚として使われてきたパンダ。外交に振り回されるなら、パンダは必要ないのでは!? 日中関係に詳しいジャーナリストの周来友さんに聞いた。

「もともと中国の国宝であるパンダは、その愛くるしさから“人寄せパンダ”という言葉もあるほど。1941年、日中戦争時に蒋介石の妻がニューヨークのブロンクス動物園にパンダを贈呈して米国から軍事援助を得ようとしたのが“パンダ外交”の始まりで、それ以来パンダは、中国の外交カードとして各国との間で使われてきました」(周さん、以下同)

 日本にパンダが初めて来たのは'72年。日中国交正常化を記念し、友好のシンボルとして2頭のパンダ、カンカンとランランが中国から贈られた。上野動物園の一般公開では開門前から長蛇の列ができ、一大ブームが巻き起こる。

「最初は贈与でしたが、その後ワシントン条約の対象動物となり、学術研究や保護目的での貸与に移行。中国がパンダを貸与する代わりに、相手国からパンダの保護・研究費として受け取る“レンタル料”は、ペアで年間100万ドル程度(約1億円前後)といわれています。さらに、日本で生まれたパンダの所有権も中国にあり、返還期限もあるのです」

メリットは「中国7割、日本3割」

 それから50年以上がたち、来年にはパンダがいなくなる日本。今後の外交にパンダは必要だろうか?

「正直、必要ないと思います。大金を払っているわりには、Win-Winの関係とはいえず、パンダ外交の“メリット”は中国が7割に対し日本は3割くらいのイメージではないでしょうか。時代も移り変わった今、いつまでも外交をパンダに頼るのはもうやめようよ、と。当たり前の話ですが人間と人間が努力し、関係を築くべき。

 これまで両国をつなぐ橋渡しとして、また日中関係の良しあしを測るバロメーターとしても立派に務めを果たしてきたパンダには、心から“ご苦労さま”と声をかけたいですね」

 忘れられないパンダのエピソードがあるという周さん。それは、

「2008年5月に起こった四川大地震。M8・0を記録し、人の暮らしも自然環境も破壊され、世界遺産に登録される野生のジャイアントパンダ保護区群も大きなダメージを受けました。

 私が現地で聞いたのは、パンダも心身の不調を引き起こしているという事実でした。そんな繊細な動物であるパンダが政治の道具に使われ、長い輸送時間をかけて異国の地で暮らし、やっと慣れてきたころにまた中国に戻されるという大きなストレスに晒される。改めてパンダを政治の道具として使うのは、賛同しかねます

 日本はパンダ誘致を続けるのか、白黒をつけるべきではないだろうか。

取材・文/住田幸子

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