“空爆と飢餓で極限状態”ガザで病院支援 現地入り日本人女性が伝える惨状「鎮痛剤なく子供たちの叫ぶ声が・・・」【サンデーモーニング】

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2025年06月01日 17:29  TBS NEWS DIG

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イスラエルによる激しい攻撃が続くパレスチナ自治区ガザでは、多くの住民が深刻な飢餓に直面しています。ガザで支援活動を行う、日本人の女性に話を聞きました。

【写真で見る】食料配給の現場にイスラエル軍が発砲 混乱する住民

食料の配給場所に問題が? 背景には米とイスラエルの“思惑”か

パレスチナ マンスール国連大使
「何十人もの子どもたちが飢えで死んでいます。どうしてこんなことができるんだ」

5月28日、国連安保理でパレスチナの大使が涙ながらに訴えたガザの惨状。食料などの支援物資の搬入は、イスラエルによって3か月も止められていたのです。

「望むのは戦争じゃない、食料だ」

そのガザでは、新しい組織による食料配給が始まり、人々が殺到していました。

ところが、イスラエル軍が発砲。海外メディアなどの報道によれば、配給の現場では少なくとも3人が死亡し、46人がケガをしたといいます(5月27日時点)。

実は、今回食料の配給を行ったのは、アメリカ主導で設立された「ガザ人道財団」という組織。しかし、この組織の活動は国連を通さず、イスラエルの関与のもとで行われていて、国際社会から非難の声が上がっているのです。

パレスチナへの支援を担ってきた国連機関のトップは、「配給場所」に問題があると指摘します。

UNRWA ラザリーニ事務局⻑
「配給拠点が南部のみに設置された事実からわかることは、北部などから人々を無理やり移動させる手段になるということです」

配給が行われた最南端の街へと、人々がガザ全土から大移動を強いられる状況。その意図は…。

UNRWA ラザリーニ事務局⻑
「イスラエルの当局者は“軍事作戦の目的は、ガザ全住⺠を南部に移動させること”と発言した。今回の配給は人々を移動させ、強制移住させる仕組みになっている」

イスラエルの後ろ盾であるトランプ政権は、住⺠の移住を伴う再開発の構想を発表していますが、背景には“両者の思惑”があるのでしょうか。

「子どもたちの叫ぶ声が…」 日本人女性が語るガザの“極限状態”

一方、こうしたなか、極限状態のガザで人道支援を続けている日本人がいます。

国境なき医師団 村元菜穂さん
「上空ではずっとドローンが飛んでますし、私たちがいるこのオフィスでも空爆は毎日聞こえます」

国際NGO「国境なき医師団」の一員として、5月からガザに入った村元菜穂さん(34)。医師ではなく、病院への物資調達などを担う「ロジスティシャン」です。

病院が破壊された場所では、残った資材をかき集め、野戦病院の設営なども行っています。

国境なき医師団 村元菜穂さん
「物資は足りていません。本当に足りていません。子どもたちが、ごみが集まっている場所で少しでも何かあるんじゃないかと探す状態で、本当に食料は足りていません」

2024年にガザ入りしたときに比べても、物資不足は格段に深刻だといいます。

最近では、村元さんらが支援するナセル病院も空爆され、なけなしの医療物資が破壊されてしまいました。

国境なき医師団 村元菜穂さん
「鎮痛剤などの在庫が尽きてきているので、やけどの包帯を替えるのも、鎮痛剤なしでやらなきゃいけない。(病院の)廊下を歩いていると、子どもたちの叫ぶ声が聞こえて、本当に痛々しい状況です」

攻撃の恐怖にもさらされながら活動を続ける村元さんが願うのは…。

国境なき医師団 村元菜穂さん
「明日何を食べられるかわからない、今日どこに空爆があるのか。一刻も早く停戦に、永久的な停戦になることを祈っています」

ガザからの声は、世界に届いているのでしょうか。

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  • 当初「イスラエルの生存権」とやらを支持していたEU諸国もあまりの非人道的破壊と大量虐殺に抗議をはじめている 日本政府もイスラエルに圧力を!
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