
鹿の食害がSNS上で大きな注目を集めている。
「鹿のヤバさがなかなか伝わらない。ハゲ山製造機。在来だけれど、山のアメザリと言っても良いのではないか」
と植林活動の写真を交え、警鐘を鳴らすのは株式会社百森の代表取締役を務める田畑直さん(@sunaotabata)。
2023年度における野生鳥獣による森林被害面積は全国でなんと約5千ヘクタールにのぼる。このうち、シカによる枝葉の食害や剥皮被害は約6割を占めるそうだ。
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植林のため苗木を植えようにも山中に柵を設けるなど手のかかる対策をしなければならず、駆除しようにも高齢化でハンターも人材難…鹿による食害は実に深刻な事態となっているのだ。
田畑さんにお話を聞いた。
ーー投稿の写真はどちらで撮影したものですか?
田畑:写真は5月11日に岡山県西粟倉村で開催された「未来の森作り祭り」というイベントで撮影したものです。
ーー当地の鹿による食害状況は?
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田畑:西粟倉村における山林での鹿の被害は甚大で、自然に種から新しい木が育ち大きくなるということはほとんど起きません。法面など、物理的に鹿が食べることができない場所などで見られる程度です。苗木などの植林は柵での対策を行わなければ不可能です。
新たに苗木を植栽する場合は鹿柵を設置して鹿の侵入を防いでいます。雪などで柵が損傷したりするので、その見回りや補修も時間や労力がかかります。
ーー投稿に数々の共感の声が寄せられました。
田畑:思った以上に反響があって驚きました。アメリカザリガニが環境へ甚大な影響があるということはかなり周知されているようなので、鹿も在来種ながら非常に大きな影響を与えているということが知られるとうれしいです。
◇ ◇
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SNSユーザー達から
「日本の農耕社会では、鹿狩りが領主の務めだったくらいですものねえ。」
「ここ富士山麓でも鹿の頭数の増加で食害や(茎、花、新芽、全て食べてしまう為) 車との接触事故(特に他県ナンバー) カモシカの生息エリアの減少(鹿はナワバリを持たずカモシカのナワバリへ侵入しナワバリの植物を食べ尽くしてしまう為) など彼らに罪はないが深刻な問題となってる」
「はげ山どころか、土砂災害の引き金を作りまくります 崖をきりくずし水路に岩や朽ち木を蹴散らして埋めていく マジで里山から人間の住居可能域をなくしていきます」
など数々の共感の声、驚きの声が寄せられた今回の投稿。田畑さんが経営する株式会社百森は、岡山県西粟倉村で山林の管理に携わっている。noteでは鹿対策や植林運動などさまざまな記事が紹介されているので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)