除湿機を1日稼働すると、電気代はいくらかかる? FPが「除湿機の電気代」をタイプ別に試算してみた

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2025年06月05日 10:40  Fav-Log by ITmedia

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梅雨時期に活躍する「除湿機」気になる電気代について(出典:photo-ac.com)

 ジメジメした梅雨の時期に、大活躍する家電が「除湿機」です。除湿機を使えば、室内で洗濯物を乾かしたり、部屋の不快な湿気を取ったりすることができます。

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 しかし気になるのが電気代です。除湿機を1日稼働するとどのくらい電気代がかかるのか、除湿機のタイプごとに試算しました。また、除湿機の電気代を節約する方法もあわせて紹介します。除湿機選びの参考にしてみてください。

●除湿機には3つのタイプがある

 除湿機には、「コンプレッサー方式」「デシカント方式」「ハイブリッド方式」の3つのタイプがあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。

コンプレッサー方式

 コンプレッサー方式は、取り込んだ空気を冷やして、結露を発生させることで除湿を行う仕組みです。高温多湿の環境で特に高い除湿効果を発揮するので、夏場や梅雨の時期の除湿に向いています。

 最大のメリットは消費電力が少なく、運転コストが安く済む点です。一方で、気温が低くなる冬場は除湿能力が十分に発揮できないというデメリットがあります。また、構造上動作音が大きくなりがちで、運転音が気になる人には不向きなこともあります。

デシカント方式

 デシカント方式は、取り込んだ空気中の水分を吸湿剤を使って吸収し、吸着した水分を内部のヒーターで加熱して除湿する仕組みです。冬でも安定した除湿能力を発揮できるので、冬場の結露対策や寒冷地での使用にも適しています。

 また、コンプレッサーを使わないため動作音が比較的静かで、寝室での使用にも適しています。ただし、ヒーターを使うため消費電力が高くなりやすく、部屋の温度も上がってしまうというデメリットがあります。

ハイブリッド方式

 ハイブリッド方式は、コンプレッサー方式とデシカント方式の両方を組み合わせたタイプで、気温や湿度に応じて自動でモードを切り替えるのが特徴です。そのため年間を通して安定した除湿効果が得られます。

 両方のメリットを生かせる一方で、価格が高め、本体サイズも大きめになる傾向があります。導入コストや設置スペースを確保できる家庭であれば、1年を通じて高い除湿能力をキープできるハイブリッド方式は使い勝手が良い方式といえるでしょう。

●除湿機の電気代をタイプ別に比較

 それぞれの方式の電気代を比較してみましょう。

 電気代は、消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)で求めます。

 電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」の31円/kWh(税込)を用いて計算します。

タイプ別電気代の例

・コンプレッサー方式

消費電力:175W

1時間あたり:約5.4円

1日(8時間):約43.2円

1カ月(30日):約1296円

(出典:シャープ衣類乾燥除湿機CV-R71)

・デシカント方式

消費電力:480W

1時間あたり:約15円

1日(8時間):約119円

1カ月(30日):約3576円

(出典:シャープ衣類乾燥除湿機CV-R60)

・ハイブリッド方式

消費電力:275W

1時間あたり:約8.5円

1日(8時間):約68円

1カ月(30日):約2040円

(出典:シャープ衣類乾燥除湿機CV-RH140)

 電気代が一番節約できるのは、コンプレッサー方式です。次がハイブリッド方式、デシカント方式は最も電気代がかかっています。

 ちなみにショッピングサイトで、それぞれの方式の除湿機の価格帯を調べたところ、概ね以下のようになりました。

・コンプレッサー方式:1〜3万円

・デシカント方式:1〜2万円

・ハイブリッド方式:4〜5万円

●除湿機の選び方

 それぞれの方式の特徴と電気代などを考慮して、おすすめの除湿機のタイプを選んでみました。

夏場や梅雨の時期に長時間使用する人

 電気代が安い「コンプレッサー方式」を選ぶとよいでしょう。

衣類乾燥など限定的に使う人

 コンパクトで価格も比較的手ごろなものが多い「デシカント方式」を選ぶとよいでしょう。

年間を通して安定して使いたい人

 本体価格は高めになりますが、季節を問わず一年中使える「ハイブリッド方式」を選ぶとよいでしょう。

●エアコンの除湿機能との違いは?

 多くのエアコンには除湿機能(ドライモード)が備わっていますが、除湿機とどう違うのでしょうか。

 結論から言えば、どちらも除湿ができるという点で変わりはありません。

 では、気になる電気代についてはどうでしょうか。

 エアコンの除湿(ドライ)モードは、エアコン内部を冷やして室内から熱や湿度を取るという仕組みが「冷房」と「除湿」で同じであるため、冷房モードの電気代とほとんど違いはありません。

 ただし、除湿の方法が室温を下げずに除湿する「再熱除湿」という方式を採用している場合は、冷房モードよりも電気代がかかります。一般的なエアコンはこの再熱除湿方式が採用されていますが、最新のエアコンは、再熱除湿方式よりも電気代を節約できる「ハイブリッド方式」を採用しているエアコンが多くなっています。

 製品や使い方によって違いはありますが、エアコンの冷房時の定格の消費電力(400W〜600Wが多い)を目安にして、エアコンの電気代と除湿機の電気代を比較してみると、除湿機の方が電気代は安くなります。

●除湿機の電気代を節約する方法

 最後に、除湿機の電気代を節約する方法を紹介します。

定期的にお手入れをする

 フィルターが汚れていると除湿効率が落ち、無駄な電力を消費します。2週間に1回はフィルターのほこりを掃除機で吸い取る、水洗いをするなどしてお手入れをしましょう。

弱モードやエコモードで運転する

 多くの除湿機には「強」「弱」「エコ」などの運転モードがあります。「強」の場合は除湿能力が高くなる分、消費電力も多くかかってしまいます。強モードは短時間の使用に留めて、通常は弱モードやエコモードでの運転がおすすめです。

サーキュレーターと併用する

 除湿機で除湿された空気をサーキュレーターで部屋全体に循環させることで、部屋の湿度を効率的に下げることができます。その結果、運転時間を短縮できます。

●まとめ

 湿度が高いと同じ気温でも暑く感じます。除湿をして、快適に感じる湿度(40%〜60%)にすればカラッと涼しく感じるでしょう。除湿機を賢く利用して、今年の夏を快適に過ごしましょう!

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