写真 恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。700万円の費用を投じた10年間の婚活で、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験”を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、婚活に「リアルに役立つ情報」をお伝えします。
婚活している人に「なぜ相手との次のデートに進まなかったか」と聞いてみると、男女ともに決まって返ってくる言葉が「いい人なんですけど……」という決まり文句です。
婚活においてよく見られるのがこのパターン。いわゆる「いい人止まりの人」と言って、切り捨ててしまうのです。恋愛なら仕方ありませんが、婚活においては「いい人だけど、恋愛や結婚するのは違う」と切り捨ててしまうのは、もったいないかもしれません。
◆いい人なんだけど……に隠された本心は?
先日、婚活をしている友人・愛美さん(仮名・41歳/会社員)に、宏樹さん(仮名)という45歳の会社員男性を紹介しました。宏樹さんは、イケメンという感じではないけれど優しい男性で、大手企業に勤務しており、経済的にも安定しています。一方で、恋愛経験が少なく、女性に対しては奥手です。初対面の女性相手に、会話を盛り上げるのもなかなか難しいようでした。
デートの後、愛美さんに感想を聞いてみると「いい人なんだけど……」と、言葉を濁していました。私は宏樹さんを結婚相手として「いい人」だと思って紹介しましたが、愛美さんからすると「人としてはいい人だけど、男性として愛美さんが求めるいい人ではない」と判断したようです。
愛美さんは、「大手企業勤務で、浮気癖やギャンブル癖もない宏樹さんのような人となら、安定した結婚ができる」と頭で考えてはいるのですが、心のどこかでトキメキ感や恋愛要素を求めているようでした。その結果、トキメかない人=退屈と思い込んでしまい、宏樹さんのようなタイプの人は“いい人”で終わってしまうようでした。
◆あなたの目的は、恋愛なのか結婚なのか
しかし、愛美さんがしたいのは、恋愛ではなく結婚のはずです。強い意志を持って、自分が恋愛したいと思った人としか結婚したくないと言うのなら、そのまま突き進めばいいと思います。しかし、結婚したいと強く思っているなら、宏樹さんのような人をすぐに切り捨てるのは、もったいないです。
なぜなら、結婚は恋愛のような非日常ではなく、むしろ日常の積み重ねだからです。いくら激しい恋愛をしたとしても、結婚して数年もすればドキドキは忘れ去られます。それなら、いい人=ドキドキはないけれど安心感がある相手=将来のパートナーとしてのポテンシャルが高い、と新しい意味づけを持ち、もう少し相手を見極める時間を持ってみてはいかがでしょうか。
◆「この人となら、どんな未来が描けるか」という視点
結婚相手は、最初から100点満点で完成された人間であることは稀です。むしろ、一緒に成長しながら、お互いをいいパートナーに“育てて”いく関係性こそ、長続きする夫婦の秘訣です。
もし、3回会っても生理的に無理でなければ、それは伸びしろ枠として、結婚相手として考えてみましょう。減点法ではなく加点法で相手を見て、「この人となら、どんな未来を描けるか?」という視点で考えてみると、意外な魅力が見えてくるかもしれません。
「いい人なんだけど……」で終わってしまう原因の多くは、私たち自身の中にある恋愛観や価値観のクセにあります。でも、そのクセに気づき、少し視点を変えるだけで、「いい人」が「いいパートナー」に変わる可能性は大いにあります。
婚活は、「理想通りの完成品」を探す旅ではなく「一緒に育てていける原石」を見つける旅。出会う中には最悪な印象の人もいる中で、いい人だと思えたなら、すぐに切り捨ててしまうのはもったいないです。視点を変えて、もう一歩踏み込んでみてはいかがでしょうか。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/田中亜依>
【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019