無差別殺傷事件から17年となった東京・秋葉原の交差点で手を合わせる人=8日午後、東京都千代田区 東京・秋葉原の歩行者天国で2008年6月、17人が死傷した無差別殺傷事件は8日で発生から17年が経過した。当時を知る人らが朝から事件現場を訪れて冥福を祈ったが、供えられる花束は年々減少。「風化を感じる」との声も聞こえる。
横浜市の公務員村瀬慎一郎さん(55)は事件当日、秋葉原に遊びに来ており、ヘリコプターの音で騒ぎに気付いた。現場周辺には人だかりができ、消防車や救急車が止まっていたが、「何が起きているのか分からなかった」という。ほぼ毎年、現場で献花をしているといい、「無差別、というのは本当に理不尽。もう起きてほしくない」と話した。
毎年、献花に訪れるという静岡県沼津市の会社員登玉慎也さん(32)は当時、高校生で、その後、秋葉原に遊びに来るようになって事件のことを知った。供えられる花束の数が年々減るなどし、事件の風化を感じている。「何年たっても遺族の傷が癒えることはない。誰か1人でも覚えていないといけないと思う」と語った。
事件は08年6月8日午後0時半ごろに発生した。加藤智大元死刑囚=執行時(39)=は、JR秋葉原駅近くの交差点にトラックで突入。ナイフで通行人を刺すなどして19〜74歳の7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。殺人罪などで起訴され、22年に刑が執行された。

無差別殺傷事件から17年となった東京・秋葉原の交差点で献花する人=8日午前、東京都千代田区