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<ラグビー国際試合・リポビタンDチャレンジカップ2025:JAPAN XV20−53マオリ・オールブラックス>◇28日◇東京・秩父宮ラグビー場◇観衆1万9792人
日本代表宮崎合宿メンバーで構成するJAPAN XVが、マオリ・オールブラックスに20−53で敗れた。「超速ラグビー」を掲げるエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、65)の第2次政権2季目は黒星発進となったが、初招集のWTB植田和磨(22=神戸)が2トライの活躍。キャップ非対象試合ながら、24年パリ五輪7人制代表の新顔がアピールに成功した。次戦は日本代表として7月5日に北九州、12日に神戸で行われるウェールズ代表との2連戦に臨む。
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「超速ラグビー」第2章の幕開けを、22歳の植田が彩った。0−0の前半9分。自陣で相手のパスミスを奪うと、一気にカウンター。左中間で待ち構え、4本目のパスを受けた。左に抜くと見せかけて、細かく3歩。7人制で鍛えたステップで相手2人を置き去りに。「自分のランを信じた」と30メートルを走り切り、右手で力強くボールをたたきつけた。初出場初トライ。23分後には、左大外から2トライ目。約2万人の観衆を2度沸かせ、エディー体制2季目の先陣を切った。
昨夏はパリにいた。近大4年時に、7人制で五輪に出場。今年4月にリーグワンでデビューし、7試合で1トライ。1年たたずに、15人制で代表に入り「すごく早かった」と驚く。2つの競技は「全く違う。活躍できる保証はない」と危機感を示しつつ、デビュー戦で快足を披露。「世界レベルを体験できた。超速ラグビーに手応えを得た」と笑った。この試合は指揮を執らずにピッチ脇で見守ったエディーHCからも「ステップアップした。すごく勇敢で、将来有望だ」と高く評価された。一方で、計9トライを与えて53失点での大敗には「失敗もあった」と悔しさをのぞかせた。
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福岡堅樹氏、レメキ・ロマノラバ(三重)は7人制で五輪、15人制でW杯に出場。先輩と同じ道を意識しつつ「五輪に出て期待されているが、努力しないと突き放される」と気を引き締めた。この日は非テストマッチで、キャップは0のまま。来週から、1つ上の世界ランキング12位ウェールズとの2連戦を見据え「W杯でTOP4に入りたい。そのために1キャップはスタート地点」。27年オーストラリア大会へ、新たな風を吹かせる。【飯岡大暉】
◆植田和磨(うえだ・かずま)2002年(平14)12月4日、兵庫・明石市生まれ。報徳学園高で全国高校ラグビー大会3年連続出場。近大1年で関西大学Aリーグトライ王を獲得。4年時には24年パリ五輪7人制代表。今季アーリーエントリーで神戸に入団し、4月12日浦安戦でデビュー。プレーオフを含む7戦で1トライ。177センチ、87キロ。
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