ビジネスパーソンの「収入と不安」実態 報酬アップへの行動1位は?

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2025年06月29日 11:11  ITmedia ビジネスオンライン

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収入に関する実態調査

 物価高や税負担の影響を受け「生活が苦しくなった」と感じるビジネスパーソンが4割に迫っている。フリーランスプロ人材マッチングのITプロパートナーズなどを運営するHajimari(東京都渋谷区)が、20〜50代のビジネスパーソン794人を対象に実施した「収入に関する実態調査」で分かった。


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●働き方で収入に差は出る? 会社員とフリーランスの実態


 前年と比較した年収の変化については、大半が「ほぼ変わらない」という結果に。ただし年収に変動があった人に限ると、会社員の多くは「年収が増えた」と答えた。一方フリーランスでは「年収が減った」という回答が多くなっている。


 生活実感の変化については、「昨年よりも生活が苦しくなった」と回答した会社員は41.5%、フリーランスは44.4%にのぼった。一方で、「生活に余裕ができた」と回答した人は、フリーランスが5.3%と、会社員の1.8%よりも高い結果となっている。


 毎月の手取り金額については、会社員・フリーランスともに「30万円台」までに集中。会社員は年代による大きな収入差は見られず、手取りが60万円を超える人は僅(わず)かだった。


 賃上げが話題となっているものの、実際の給与アップは限られている。一方、フリーランスは収入の幅が広く、20万円未満の層が目立つ一方、高額層も存在し、ばらつきが顕著だった。


 金銭面の悩みや不安については、会社員・フリーランスともに1位が「物価上昇の影響」。2位が「税金が高い」、3位が「老後の資金に不安がある」に。収入や将来に対する漠然とした不安を抱える人も多く見られた。


●報酬アップのための取り組みは?


 報酬アップのための取り組みをしているかについては、「何も行っていない」と回答した人が最も多く、会社員は29.16%、フリーランスは24.30%だった。その後はフリーランスでは「経費の見直し・削減」、「株式・不動産・積立NISAなどの投資」が続いた。全体的にスキルアップや報酬単価の向上を目指して自己研さんをしたり、将来へ投資したりする姿勢がうかがえる。


 会社員では「株式・不動産・積立NISAなどの投資」「iDeCoやふるさと納税などの節税対策」への関心が高く、昇進や副業による収入アップを目指す傾向が見られた。


 給与や報酬の引き上げ交渉については、会社員・フリーランスともに「交渉したいと思ったことはない」と回答した人が最多となっている。


 一方で、「交渉したことがある」と回答した人は、フリーランスでは約26%、会社員では約18%にとどまり、多くのビジネスパーソンが賃上げに積極的とはいえない実態が浮き彫りになった。


 交渉成功経験者の年収の増加額については、会社員は「5万円〜10万円未満」「10万円〜20万円未満」の年収アップが同数で最多に。「1万円未満」「1万円〜3万円未満」が続いた。


 一方、フリーランスでは「1万〜3万円未満」が最多。30万円以上の増加を実現した人は会社員を上回っていた。中には100万円以上の大幅な増加を達成したケースも。フリーランスは、リスキリングや新技術の習得などによって自身の市場価値を高め、新規案件の単価交渉ができる可能性がうかがえる。


 調査は、20〜50代のビジネスパーソン794人(会社員400人、フリーランス394人)を対象にインターネットで実施した。調査時期は2025年3月。


(小松恋、アイティメディア今野大一)



このニュースに関するつぶやき

  • 働き方の問題でも自己責任でもありません。 税や社会保険料などが差し引かれ過ぎていて可処分所得の低下が一番の原因だと思います。 民意でこの悪政を変えないと!!
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