公正取引委員会=東京都千代田区 米二輪車大手ハーレーダビッドソンの日本法人「ハーレーダビッドソンジャパン」(東京都新宿区)が、販売店に過剰な販売ノルマを課していたなどとして、公正取引委員会が独禁法違反(優越的地位の乱用)で、同社に課徴金約2億円の納付を命じる方針を固めたことが29日、関係者への取材で分かった。
同社には排除措置命令も出す。公取委は既に処分案を通知しており、意見聴取を経て最終的に判断する。
関係者によると、同社は遅くとも2023年1月以降、ディーラー契約を結ぶ数十店に対し、通常の営業活動では達成が困難な新車の販売目標台数を一方的に設定。一定の目標達成率に満たない場合、契約を更新しないと示唆していた。
販売店の中には、目標達成に向けて自社やスタッフ名義でバイクを購入し、実績に含めていた店もあった。車両登録を済ませているため、顧客に売る際は新車価格からの引き下げを余儀なくされていたが、取引継続のため日本法人の意向に従わざるを得なかったとみられる。
独禁法では、取引上優越する立場にある企業が、その地位を利用して取引先に不当な不利益を与える行為を優越的地位の乱用として禁止している。
日本自動車輸入組合によると、24年度の輸入小型二輪車の新規登録台数では、ハーレーダビッドソンが30.6%でトップ。23年度もシェア首位だった。