※写真はイメージですNHK受信料に関するトラブルの話題がよくありますが、全国の自治体が保有する公用車のカーナビにもNHK受信契約が必要で、未払いが相次いで発覚しているそうです。
とくに最近のテレビを観ない若者たちにとって、NHK契約は「不要なサブスク」と呼ばれています。NHKとの契約に納得がいかない人も少なくないはずです。
家にテレビはなく、クルマに乗る、カーナビは欲しいという人が、NHKとの契約を避けることは可能なのでしょうか?
近年ではNHK契約の必要がないチューナーレステレビが注目されていますが、じつはカーナビにもそのようなモデルが存在します。
◆「公用車にもNHK受信料請求」が話題に
近年、全国の自治体で公用車のカーナビのNHK受信料の未払いが判明しています。
公用車には地図表示を目的としてカーナビが取り付けられていることも多く、そのカーナビにはテレビを視聴できるチューナーを標準的に装備しています。そのため、業務中にテレビを視聴していないと主張しても「テレビが受信可能な状態」にあるとして、受信料の支払い義務があるということです。
もちろん、これは公的機関に限った話ではありません。企業が所有する社用車や、一般家庭の自家用車にもいえることです。
◆テレビを持っていない一般家庭でも…
テレビを持っていない一般家庭でも、カーナビの仕様によってはNHKとの契約義務が発生する可能性があります。
たとえば、自宅にチューナー付きテレビがなく、動画視聴もスマホやパソコンだけという方でも、クルマにテレビチューナー付きのカーナビが搭載されていれば、それが「受信設備」とみなされます。
また、地デジ用アンテナが接続されていなくても、機器として受信機能がある時点でNHK側は「受信可能な状態」として契約を求めることがあります。過去には「テレビは見ていない」「アンテナはつないでいない」といった主張が認められなかったケースもあるようです。
テレビを持っていなくても受信契約の対象となることもあるため、カーナビを選ぶ際には注意が必要でしょう。
◆カーナビをつけるなら「ディスプレイオーディオ」
どうしてもNHKとの契約を避けたいと考える場合、最も確実なのは「カーナビをつけない」という選択をすることです。ただ、最近のクルマはカーナビやオーディオを取り付ける前提で設計されているため、その選択をするのはほぼ無理でしょう。
そうなると、「テレビチューナーが付いていないカーナビ」という選択肢が出てきます。そうした中で注目されているのが「ディスプレイオーディオ」です。
ディスプレイオーディオはタッチパネル式の画面にラジオ受信など最低限のオーディオ機能を有しているだけのモデルが多く、これらとスマホを連携することで、スマホ経由でのナビアプリの使用や音楽再生などが可能になります。
ディスプレイオーディオは、テレビ機能を内蔵していないモデルが主流となっており、スマホと連携することで「Googleマップ」や「Yahoo!カーナビ」といったスマホアプリをクルマの画面に表示させて利用することができます。
このように、テレビ視聴機能がないため、NHKの受信契約対象外と判断される可能性が高く、受信料をめぐるトラブルを回避できる可能性があります。
さらに、ディスプレイオーディオは純正ナビに比べて価格が抑えられています。スマホのアプリを随時アップデートさせることで機能面も向上し、最新の地図を使うこともできます。テレビを見ない方にとっては、コストパフォーマンスにも優れた選択肢といえるでしょう。
テレビをもたず、スマホにも番組配信アプリなどをダウンロードせず、カーナビにおいてもNHKの受信契約を回避したいと考える場合は、「テレビチューナーが搭載されていないスマホ連携機能を有したディスプレイオーディオ」を選びましょう。近年では、ディスプレイオーディオを標準装備とする車種も増えており、NHKとの契約を避けつつ、必要十分な機能を確保することが可能となっています。
<文/宇野源一>
【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801