60代の生命保険、平均でどれくらい支払っている?ライフスタイルに合わせた見直し術

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2025年07月16日 19:30  All About

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60代になると、「今の生命保険、このまま続けていて大丈夫だろうか?」と、ふと考えることもあるのではないでしょうか。今回は、60代の方が実際にどれくらいの保険料を支払っているのかをはじめ、見直すときのポイントや、ライフスタイル別に合った保険の選び方についてご紹介します。※サムネイル画像出典:amanaimages
60代になると、子どもが独立したり、仕事を退職したりと、これまでとは生活のリズムや考え方が大きく変わる時期を迎えます。

そうした中で、「今の生命保険、このまま続けていて大丈夫だろうか?」と、ふと考えることもあるのではないでしょうか。

生命保険は、年齢や家族の状況に合わせて見直すことで、ムダな出費を減らしながら、これからの生活にしっかり備えられます。今回は、60代の方が実際にどれくらいの保険料を支払っているのかをはじめ、見直すときのポイントや、ライフスタイル別に合った保険の選び方についてご紹介します。

60代が支払っている保険料はいくら?

60代になると、病気や入院など、体の不安が少しずつ増えてくる年代です。

そのため、「万が一のときに備えて保険を見直したい」「保障を手厚くしておきたい」と考える人も少なくありません。

では、実際に60代の人たちはどれくらいの保険料を支払い、どのような保障内容に加入しているのでしょうか? 公益財団法人 生命保険文化センターが行った「2022年度 生活保障に関する調査」の結果をもとに見ていきましょう。

年間で支払っている保険料の平均(1年分)

・60代男性:21万2000円
・60代女性:15万9000円

1年間に支払っている保険料の平均です。この金額は、月額に換算すると、男性で約1万7600円、女性で約1万3300円程度になります。

なお、最も年間の保険料が高いのは50代で、50代男性は25万5000円、女性は19万円です。

60代では少し減る傾向がありますが、それでもかなりの金額を支払っていることが分かります。

加入している生命保険の平均保障額(死亡保障)

・60代男性:1071万円
・60代女性:507万円

これは、病気などで亡くなった際に保険から支払われる金額(死亡保障)の平均です。保障額を50代と比較すると、50代男性は1629万円、女性は737万円となり、60代ではやや金額が下がる傾向にあります。

年齢とともに必要な保障額が減ってくるため、保険を見直して減額している人も多いようです。

入院時に1日当たり支払われる給付金(日額)

・60代男性:9600円
・60代女性:8300円

これは、病気やケガで入院したときに、1日当たり受け取れる保険金の平均額です。

入院が長くなっても安心できるよう、ある程度まとまった金額の給付を設定している人が多いことが分かります。ちなみに、50代では男性が1万900円、女性が8700円となっており、こちらも60代でやや下がる傾向にあります。

このように、60代は保険にかける金額も保障の内容も、全体的に手厚くなっていることが分かります。とはいえ、家計にとって保険料は大きな出費でもあります。無理のない範囲で必要な保障を確保するためには、自分に合った保険かどうかを定期的に見直すことが大切です。

60代がかかりやすい主な病気

60代になると、体にさまざまな変化が表れ、健康面での不安を感じやすくなってきます。では実際に、この年代の人がどんな病気にかかりやすいのでしょうか?

厚生労働省が発表した「令和5年(2023年)患者調査」によると、65歳以上の人が病院で診てもらうことの多い病気は、次のようなものです。

【入院が多い病気の一例】
・高血圧などの循環器系の病気(心臓や血管のトラブル)
・骨折やけが、事故によるケガ
・うつ病や認知症などの精神的な病気
・がん(悪性腫瘍)など

これらは、入院治療が必要になるケースが多く、医療費や長期療養の備えとして、しっかりとした準備が求められます。

【外来(通院)が多い病気の一例】
・高血圧などの循環器系の病気
・胃腸や歯のトラブルなどの消化器系の病気
・腰やひざの痛みなど、骨や関節の病気
・糖尿病や脂質異常症など内分泌、栄養及び代謝疾患

外来では、年齢を重ねることで増えてくる慢性的な病気のケアが多くなります。

この年代では、家庭での役割や親の介護、自身の健康への不安など、さまざまな負担が重なりやすく、心の健康にも影響が出やすい時期と言えます。

また、がんや心臓病など、命にかかわる大きな病気にかかるリスクも高まってくるため、体調の変化に早めに気付くことがとても大切です。

特にがんは、早く見つけて治療を始めることで、その後の生活への影響を少なくできます。

60代からは、定期的に健康診断を受けて、体の状態をチェックすることが、自分自身と家族を守るための第一歩と言えるでしょう。

60代のライフステージに合った保険は?

ここでは、「夫婦2人暮らし」「独身の場合」など、ライフスタイル別に、保険の見直し方を具体的にご紹介します。

夫婦2人暮らしで、子どもがいない(またはすでに独立している)場合

60代になると、子どもが独立している家庭が多く、これまで必要だった教育資金などのための高額な死亡保障は、それほど必要がなくなってきます。

この年代では、葬儀費用や遺品整理、遺された配偶者の生活費などをカバーできる程度の保障に見直すのが現実的です。

あわせて、入院や手術、がんなどのリスクに備えるために、医療保険やがん保険の加入を検討するのがおすすめです。これからの生活に合わせて、保障の内容を「守りたいもの」に合わせて整えていきましょう。

独身の場合

独身の方は、扶養している家族がいないケースが多いため、高額な死亡保障は基本的に必要ありません。ただし、病気やケガ、がんなどで入院した場合の医療費には備えておくことが大切です。

将来のリスクに備えるには、一生涯保障が続く「終身型」の医療保険やがん保険に加入しておくと安心です。

また、独身でも親の生活費を支援している方や、介護を担っている方は、自分に万が一のことがあった場合に困らないよう、最低限の死亡保障を用意しておくことも検討しておきましょう。

まとめ

60代は、保険の目的が変わる時期です。教育費や住宅ローンの備えから、今後の医療・介護・終活への備えに切り替えることが、安心した暮らしにつながります。

まずは、今の保険が「今の自分に合っているか?」を見直すところからスタートしてみましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))

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