「“攻撃されている”とうまく見せている」参政党ウォッチャーが語る“問題発言”連発でも支持者の結束が強くなるワケ

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2025年07月19日 16:10  web女性自身

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いよいよ目前に迫った7月20日の参院選投開票日。とりわけ注目を集めているのが、各社の情勢調査で10議席以上の獲得が予想されるなど、勢いを増している参政党だ。そのいっぽう、神谷宗幣代表(47)をはじめ、SNSや街頭演説での発言が問題視されることも非常に多い。



そこで、参政党の政治資金パーティーに何度も足を運ぶなど、つぶさに動向をウォッチしてきたライターの黒猫ドラネコ氏に、躍進の背景や、問題発言の背景やその対応などについて話を聞いた。



黒猫氏が参政党に注目し始めたのは、同党が参院選で初議席を獲得する直前の’22年春頃。新型コロナのパンデミック下で、コロナワクチン接種に反対する「反ワクチン集団」が乱立する中、“どこが覇権を握るのか”と情勢を見つめていた矢先、参政党に意識を向けたという。実際、当時は参政党の事務局長だった神谷氏も、コロナワクチンの予防効果を否定する発言を繰り返していたが、メディアでの扱われ方は他とは一線を画していたようだ。



「いわゆる“トンデモ系”として参政党がメディアで扱われることはほとんどなく、『新しい政党が出てきた』『議席を獲るかも』『ワクチンに疑問を持つ支持者を集めて〜』という論調で、否定的に見るメディアはほとんどなかったように思います」(以下、カッコ内は黒猫氏)



’22年7月の参院選で神谷氏が当選したことで国政政党になると、現在では神谷氏を含む5人の国会議員を抱え、地方でも140人以上の議員を輩出している(’23年4月の統一地方選では100人が当選)。今回の参院選の“前哨戦”ともいわれた6月の東京都議選では初挑戦ながら3議席を獲得するなど躍進が続くが、黒猫氏は、支持者増の背景をこう明かす。



「“投票する政党がない”と迷う人たちが、『話題だし、自民に入れたくないし、勢いあるし』という、ふんわりとした理由で良いも悪いも見ずに参政党に投票するという例がかなり多いと思います。というのも、彼ら(参政党)は熱心に“どぶ板”をやるんです。街頭で握手をしまくったり、チラシを配ったり、要は『新しい政党です』というアピールに余念がなく、『そこまで言うなら』と投票する人は多いと思います」



そして、「日本人ファースト」を掲げて挑む今回の参院選。このキャッチコピーは“過度な外国人の受け入れ”など外国人政策の見直しや、“反グローバリズム”という方針が含まれる。黒猫氏によると、参政党は一貫して反グローバリズムを掲げてきたという。



「彼らは『外資系企業が日本を席巻しようとしている。日本が貧しくなっているのはグローバリストの仕業』と主張します。ただ、それは単純に“外資系企業=悪”というより、『日本を支配しようとしている勢力がいる。日本を弱体化させようとしている』という文脈ですね。(インバウンド増加や外国人問題が争点に浮上する中で)がっちりハマっている感じはあります」



一方、参政党への注目度の高まりに伴い、党関係者の言動が連日のようにSNSやメディアで問題視されているのも事実だ。最近だと、政治団体「日本誠真会」代表の吉野敏明氏(57)が、参政党幹部だった際の街頭演説で、「メロンパン1個食べて翌日死んだ人はたくさん見てます」と発言していたことが“再燃”し、それに対する現党関係者の対処が波紋を広げた。



根拠不明の「メロンパン」発言が物議を醸すなか、参政党の吉川りな衆院議員(38)は7月6日のXで《メロンパン、ちょっと古い》と批判を正面から受け止めず、今回の参院選にも出馬している梅村みずほ氏(46)は10日の投稿で《「メロンパン食べたら死ぬ」は党の公式見解ではございません。国民の皆さまにおかれましてはデマの流布にご注意くださいませ》と呼びかけ、満面の笑みでメロンパンを片手に持つ自撮り写真をアップしていた。



「連日批判を受けていますが、要するに当初から適当なことや根拠のないことばかり言って、注目を浴びたことでそれがバレ始めただけ。メロンパンは、すでに党から抜けた吉野敏明氏が過去に言っていたことですから、現在の参政党としては“古い”ということなのかと。



また、批判に対抗するなかで、言葉が強くなっている面もあるのではないでしょうか。彼らには打算的な所もあると思っていて、『左が敵』『メディアが敵』という考えが根本にありますから、言い訳と同時に反撃することで、演出的に『参政党が攻撃されている』『向こうにとって都合が悪いから攻撃されている』と見せるやり方をうまく使っているという印象があります。周囲が批判をすればするほど彼らは“頑なになる”わけです」



神谷氏にしても、自分の発言が各方面で取り上げられると、“切り取られた”などと訴えるケースが目立つ。たとえば、神谷氏は7月2日、日本記者クラブ主催の討論会でグローバリズムに関する見解を述べる中で、「彼ら(多国籍企業)は色んなことをやります。パンデミックを引き起こしたということも噂されています」と話した。



この発言が根拠に欠くことからSNSでは一部で“デマ”として拡散されると、11日、参政党は公式HPで《「パンデミック」に関する発言の一部が切り取られ、意図とは異なる形で拡散されております》と訴え、《あくまで問題提起の文脈で述べたもの》と主張。



また、神谷氏は‘23年に党の公式YouTubeチャンネルの動画で、安定的な皇位継承について持論を述べる流れで「ちょっと賛否両論あると思うんですけど、天皇陛下に側室を、やっぱり持っていただいて。たくさん子供を作っていただくと。昔はそうしていたわけですよね」と発言し、後に当該箇所を削除。そのことについて、党に経緯などについて本誌が取材を申し込んだ際も「ご回答できません。すみません」と答えるのみだった。神谷氏が自身で謝罪や釈明を行うことはなかったが、こうした姿勢は支持者にとって問題はないのだろうか。



「神谷氏が謝らないのは性格でしょうね。支持者の中でも『正しいか正しくないか』は重要ではなく、世の中の景気が良くなくて、自分たちが上手くいかない中で『それを打破するためには必要』というのが第一義になってしまっている。客観視ができなくなっているんです」



参政党が複数の議席を獲得する見通しだが、このような“体質”が参院選後の党勢に影響することはあるのだろうか。黒猫氏は「それはむずかしい質問」とした上で、こう話す。



「今回の選挙で何議席を獲得するかにもよりますし、衆院が解散して、その際の議席獲得数にもよる。ただ、アメリカの様子などを見ていると、多数派になる可能性もある。『おかしい』『間違っている』と突きつけられ、事実そうだとしても、正しいとされてしまう。分断が広がることを懸念しています。選挙で投票する際は、良い面のアピールだけでなくぜひ反対側の意見も聞いてほしいですね。」

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