写真はイメージです(以下同じ) こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆働きながらの婚活で、やる気を枯らす人たち
結婚したいと思いつつ、婚活のモチベーションが続かないという悩みをお持ちの方は多いです。婚活は面倒くさいですし、週5で働きながら休日も気を使って新しいことをやり続けるとなると、結果が出る前にモチベーションは枯渇してしまいます。
とはいえ、自己流で進めてやる気がすぐ枯渇する婚活をしてしまう人は多いのです。
◆29歳で婚活を始めたのに、気づけば32歳
真由美さん(32歳・仮名)は29歳で婚活を開始しますが、1人目に出会った相手で嫌になってしまい婚活を一時お休みしました。
その“一時お休み”のまま30代になりました。
「29歳の時はもうすぐ30代だと焦ったのに、30歳になったらそんなに変わらない気がしてきて。やるつもりだったんですけどまた嫌な人に会ったら嫌だなと思うとやる気になれなくて、気がついたら32歳だったんです」
しかしこのペースだとアラフォーになってしまうと思い、筆者のところへご相談にやってきました。
トラウマのごとく思い出してしまう嫌な男性とは、どんな男性だったのでしょうか。
◆男性50人のアプローチに「嬉しいよりうんざり」
真由美さんの恋愛経験は、学生時代のアルバイトで知り合った彼氏1人のみ。その彼氏は真由美さんとの予定より友達との予定を優先させてしまうことが多く、すぐ別れました。
見る目がない自分は、マッチングアプリでは騙されるかもしれない。そう思い結婚相談所に登録します。
勧誘で「女性の場合、マッチングアプリで29歳という年齢は武器にならないけど、結婚相談所なら29歳は武器になる」と言われたのも、登録の大きな後押しになったといいます。
実際、登録したばかりの真由美さんには50人ぐらいの申込(会いたいという意思表示)が来たそうです。ですが、当時の真由美さんは一人暮らしを始めたばかりで土日で家事などで忙しく、さらに新しい上司が来たことで仕事の進め方も変わり疲れがたまっていました。
そのため、申込が来た男性のプロフィールに目を通すのも、嬉しいよりはうんざりの方が強かったとか。
「今思えば、入会バブルだからその申込を大事にした方がよかったんでしょうけど……その時は毎月それぐらい申込があるものと思っていて、その中からとりあえず1人の申込しか受けなかったんです」
◆どうせ会うなら年収400万円より年収1500万円
真由美さんが選んだのは、39歳で年収1500万円の外資系コンサル勤務の貴之さん(仮名)です。他の申込者は年収300〜600万円ぐらいというなかで、断トツスペックが高いのが貴之さんでした。
会ったこともない年収1500万円男性とお見合いが決まりウキウキでした。
「お見合い希望日を聞かれて、土日を中心に3つ希望日を提案しました。でも、その日は全て貴之さん側の予定が合わず日程を設定できなかったのです」
◆結婚相談所のお見合いは実施しないと罰金が発生する
他の人とも会ってみたかったそうですが、貴之さんとのお見合いの日程が決まらないため予定を組みにくく、ためらっているうちに、申込の回答期限が過ぎてしまいました。
「回答期限ぎりぎりの回答だと、相手からの印象が悪いと言われていたので、気になる人はいたものの申込ができなかったんです」
貴之さんから希望日がなかなか送られてこず、やっと提案してきたのは平日の20時からでした。
「職場にお見合いのようにオシャレしていくわけにいかないので平日のお見合いは気がすすまなかったのですが、オンラインお見合いを提案したけれど断られてしまって。年収が高いし忙しい人なのだろうから仕方がないのかなと思って、受けることをしたんです」
真由美さんはこのやりとりの時点で、もう相手への気持ちはなくなっていました。お見合いしたくなかったそうですが、彼女の登録している結婚相談所ではお見合いの取り消しは罰金が発生します。結婚相談所からも「お見合いをキャンセルすると相手側の結婚相談所の印象も悪くなるので、会ってからお断りしましょう」と提案されました。
◆お見合い前々日に日程変更
さっさとお見合いを終わらせたいのに、お見合いの前々日に貴之さんから、仕事の予定が入ったからとお見合い日程変更の連絡が来たのです。
貴之さんからの代案は、初めに真由美さんがお見合い希望日として提案した土曜日午後。予定が二転三転し、真由美さんはもうここで心が折れそうでした。
お見合い当日に会場に現れた貴之さんは、写真とは全く別人で、太って髪の毛が薄い男性でした。
「私も顔に出ていたかもしれないんですけど、相手から『オンラインお見合いって言われると消化試合って分かるから、やめた方が賢明じゃないかな』って上から目線で言われたんです」
お見合いはすぐ終わったのですがどっと疲れてしまって、その日は何もできなかったそうです。
その後、結婚相談所のシステムにログインする気になれず、結婚相談所を休会してしまいました。
年収が高い男性は、仕事に情熱的でこだわりが強いぶん、ちょっと“クセ強め”なタイプも少なくありません。しかも、条件が良ければ結婚できずに婚活が長引くこと自体がレア。結婚の意思があり好条件なのにアラフォーでずっと独身となると、何かしら「理由」がある可能性も否定できません。
貴之さんは高確率で、スペックが高いのに結婚できなかった“難あり男性”なのではないでしょうか。ただし彼は人気があるので、自分が女性を選べるつもりでいるでしょう。
他に申込がきていた年収300〜600万ぐらいの男性の中から選んでいれば、ここまで失礼な男性に当たる確率は低かったのではないでしょうか。
「自分が普通なんだから、普通の人と会っていればよかったですよね。もう20代じゃないし、次は欲張らないようにします」と真由美さんは振り返ります。
友達の紹介や同僚だったら、デートの日を直前で変更したり、初対面で失礼なことを言ったりするケースはほとんどありません。これまで会話したことがない出会いほど、失礼な人にも会う可能性もあるのです。
真由美さんが次は心が折れず、結婚するまで婚活をやり遂げられることを祈ります。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt