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レスリング女子で12年ロンドン五輪(オリンピック)48キロ級の金メダルに輝いた小原日登美(おばら・ひとみ)さんが44歳で18日に急逝したことに、恩師で至学館大の栄和人前監督(65)は19日、「つらくてつらくて涙が止まらない」と強い衝撃を受けた。
吉田沙保里ら多数の金メダリストを育てたが、青森県の実家まで勧誘に行ったのは小原だけだったという。「他の選手たちは希望して大学に来た。日登美はセンスもピカイチだったし、天才レスラーだった。とにかく努力家で責任感も強かった。心技体がそろっていた」と振り返る。
世界選手権を6度も制しながら2004年アテネ、08年北京五輪出場を逃し、一時は引退。それでも不屈の闘志で12年ロンドン五輪の出場権を獲得し、世界の頂点に立っていた。
栄氏が顧問を務める至学館大にも選手の勧誘にたびたび来ていたという。日本レスリング協会の理事も務め、昨年末の理事会では28年ロサンゼルス五輪に向けて、五輪4連覇の伊調馨さん(ALSOK)とともに女子日本代表のコーチに名を連ねていた。それだけに「これからだったのに。レスリングの申し子が…。今でも信じられない」と現実味がわかない様子だった。
◆小原日登美(おばら・ひとみ)旧姓坂本。1981年(昭56)1月4日、青森県八戸市生まれ。八戸工大一高から中京女子大(現・至学館大)に進み、栄和人氏の指導を受けて成長した。04年アテネ五輪出場を逃した後、翌05年に自衛隊体育学校へ。ロンドン五輪の金メダルを獲得後に現役引退。出産、育児を経て育成に尽力していた。
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