限定公開( 3 )
50万円の高級錦鯉に買い手が決まって1週間後……。まさかの事態と複雑な錦鯉の世界について正直に話す動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で、合計1万5000回以上再生されています。
投稿者は、自宅の庭づくりをきっかけに錦鯉の飼育を始め、今ではすっかり錦鯉にハマっているというYouTubeチャンネル「錦鯉 セラチャンネル」のセラさん。以前は深い傷を負った錦鯉を100万円で購入し、1カ月後の様子を紹介しました。
今回は50万円で買い手がついた高級錦鯉「紅白」のメスに異変が起きてしまったようで……?
こちらの錦鯉は、お客さんも実際に池の中にいる状態を見て、特に問題がないことを確認していたそうです。「異常があれば販売はしない」と断言するセラさんから見ても、その時は動きや見た目に何の異常もなく、泳ぎもエサ食いもよく、どこも悪くなかったのだといいます。
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しかし、オーナーさんが決まってから1週間後。元気だったはずの錦鯉は隔離されているプールの中で、激しく体をくねらせながら泳ぎ回っています。明らかに調子が悪く、おそらく「潜水病」だと思われるとのこと。潜水病は完治が難しい病気のようで、本当にいい鯉だったのに……と深いため息をつくセラさんの様子から、かなり気落ちしていることが伝わってきます。
この後は抗生剤を注射するなどして治療を行いますが、状況的にはかなり厳しいようです。今回の件を受け、あらためて「鯉は難しい」と思ったと話すセラさんなのでした。
なおオーナーさんには状況を包み隠さずお伝えし、販売をお断りしたとのこと。オーナーさんは「50〜100万くらいの間で同じくらいのレベルの紅白がいたら、また連絡してください」と了承してくださったとのことで、代わりとなる錦鯉を探すことになったそうです。
セラさんによると鯉の体を大きくしようと思うとやや無理をさせ、限界まで食べさせることになるため、どうしてもリスクがついて回るのだそうです。体を大きく、幅を付けようとしてエサを与えすぎると、調子が悪くなってしまう傾向にあるのだとか……。
ここでエサを少なめにしている錦鯉を見せてくれましたが、確かに動きも機敏で元気もよさそうです。ただしエサを少なめにすると、どうしても体が細長い感じになってしまうとのこと。同じ錦鯉愛好家であっても、大きさを取るか、健康を取るのか……重きを置く点は、人それぞれなのですね。
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錦鯉は生き物ではあるけれど、特に大型の錦鯉の“美”は、大きさや幅などの体型にあり、そういった鯉はなかなか作り出せないのだといいます。品評会に出るような大きな鯉はとにかくエサを食べさせるため、1年中加温して、さらにろ過槽などにこだわり、水質も作っていく必要があるのだとか。
実は錦鯉を長生きさせること自体は、そう難しくないとのこと。単に長生きさせるのであれば水換えや、ろ過槽、ろ剤にもそれほどこだわる必要はなく、エサを少なくしておけばいいのだとか。11月から梅雨明けまでエサを切れば水換えも何もしなくても、錦鯉が死ぬ確率はぐんと下がるそうです。
逆に錦鯉を大きくしようと考えてエサを与えれば与えるほど、死んでしまうリスクが増していくものなのだといいます。とにかく体を大きくさせたい場合はそのリスクに対抗できる施設を整えることも重要ではありますが、最終的にはそれに耐えられる強い内臓を持ちあわせた錦鯉だけが残っていくため、大きくて立派な錦鯉は高額になるのだとか。
大きさにこだわればこだわるほど、リスクも増していく。しかしこれは錦鯉の世界では当たり前のことであり、また錦鯉の美でもあるのだそうです。
数日後、セラさんは新たな動画を投稿。潜水病にかかってしまった錦鯉はいろいろと治療をしたものの、残念ながら息を引き取ってしまったそうです。3歳で購入し、60センチから85センチまで成長させ、たくさんの夢を見せてくれたという錦鯉について報告しつつ、思い出を振り返っていきます。
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こちらの錦鯉は購入時、「あまり大きくならない」ということで前のオーナーさんからお安めに譲ってもらったそうです。80センチは超えてこないだろうと言われていたそうですが、セラさんが約5年飼いこみ、8歳で85センチにまで成長。昨年行われた九州の品評会では、準優勝を獲得しました。
たくさんの思い入れがあるという錦鯉の購入金額は10万円、販売価格は50万円。しかし5年間の飼育代だけで50万円は超えていたので、販売価格は妥当だと考えているそうですよ。
この錦鯉についても体を大きくしようとしなければ長生きできたとは思うけれど、賞を取ることは難しかっただろうとのこと。確かに無理はさせていたけれど、代わりに施設を整えてエサにこだわり、病気にかからないような工夫もしていたそうですが、今回は残念な結果になってしまいました。
セラさんが取り組んでいる錦鯉の大きさを求める育て方については批判もあるそうです。それらについても理解はできるとしつつ、セラさん自身は今後も大型の錦鯉ならではの美を求めていきたいと語ります。
最後は品評会に出たときの思い出や、息を引き取ったときの状況などを振り返りつつ、たくさんの夢を見せてくれた錦鯉に感謝の気持ちを述べるセラさんなのでした。なお、今回販売予定だった錦鯉の代わりはなんとか見つけられたそうで、オーナーさんにも納得してもらえたそうですよ。
動画には、「錦鯉の世界を正直にお話してくださり勉強になります」「お疲れ様です。 生命あるものを相手にすると予想不可で大変だと思います。頑張ってください。応援してますよ!」といったコメントが寄せられています。
同チャンネルでは、自宅で飼育する錦鯉たちの成長記録から、導入した設備周りの紹介まで、さまざまな錦鯉関連の動画が公開されています。
画像提供:YouTubeチャンネル「錦鯉 セラチャンネル」
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