ホワイトハウスの執務室で携帯電話をチェックするトランプ米大統領=5月23日、ワシントン(EPA時事) 【ワシントン時事】トランプ米政権発足からの半年間で、トランプ大統領肝煎りの大型減税関連法など重要な法案が相次いで成立、もしくは議会通過を果たした。与党共和党は上下両院とも僅差の過半数を占めるにすぎず、党内の意見対立から審議や採決は難航。トランプ氏が反対する議員らを直接説得し、何とか可決にこぎ着けた。
「午前2時や3時、4時に電話するのはうんざりだ」。トランプ氏は18日、ホワイトハウスで行われた式典で、法案の議会手続きのさなかに、議員らを説得するため、未明に電話をかけまくったことを明かした。
トランプ政権最大の政策課題だった大型減税関連法では、一段の支出カットを主張する財政規律派と、低所得者向け支援削減に抵抗する穏健派の双方から不満が噴出。トランプ氏は議員らをホワイトハウスに招いたり、電話をかけたりして懐柔。時には党予備選で「刺客」を立てると脅し、引き締めを図った。
18日未明に議会を通過した予算減額法案は、トランプ政権が「左派的」と嫌悪する対外支援や公共放送が標的となった。新組織「政府効率化省」が強引に進め、違法性も指摘された資金遮断の一部を法制化した形で、政権にとっては大型減税に次ぐ「立法での大きな勝利」(米メディア)との見方もある。
一方、野党民主党は、共和党が一方的に進めた支出カットに反発を強めている。上院(100議席)で予算案を採択するには、議事妨害を阻止するために60票が必要で、民主党の協力が欠かせない。会計年度末の9月末までに予算が成立しなければ、政府機関の一部が閉鎖される。トランプ氏の議会対応が問われるのはこれからだ。