「子どものヘアカラーはありですか?」への納得の返事 賛否の反応「納得しました」「心配しすぎ」…人生変わるリスクも

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2025年07月23日 07:30  まいどなニュース

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子どもに髪を染めたいと言われたら?「休みの時だけ」「ダンスの発表会のため」「個性を尊重したい」と親から勧めることもあるとか。写真はイメージです(琢也 栂/stock.adobe.com)

「友達も染めてる!私も染めたい」「夏休みだけ!」「大人だけずるい!」と小学生の子どもから言われたら…? 実際、元美容師のNao Ayumiさんは、親側から「小学生の子どもにヘアカラーはありですか? ピアスはありですか?」とよく尋ねられたそうです。

【写真】ヘアカラーで起きた子どものアレルギー症状

金髪や茶色、毛先だけのブリーチ、インナーカラーなど様々なカラーリングの未就学児や小学生もよく目にするようになった昨今。本人や親御さんの考え方の自由はあれど、低年齢で髪を染めることを「なんとなく良くないのでは?」と感じる人も多いのではないでしょうか。体への影響も気になります。

そこで実際に元美容師のNao Ayumiさんと、専門機関にお話を聞きました。

子どもにヘアカラーはあり?と何度も聞かれ…

Threadsで、大きな反響があったNao Ayumi(@ooooonaoooooo)さんの投稿。約10年前の20代に美容師をしていた頃のNaoさんは派手髪&派手耳だったそうで、「ヘアカラーはありですか?」といった質問を、半年に1回くらいは聞かれ、特に夏休みや冬休みなど長期休みの前は増えたのだとか。

親御さんたちは子どもの希望に応えたいがためか、美容師からの擁護や後押しを目的に質問されているような方も多かったそうです。

その際の返答が、「お洒落をしたい気持ち、心底わかります。でも毎回『親御さんの目の届かない場所で、悪い大人から守りきれる自信があるならいいと思います』とお答えしてました」とNaoさん。

「学校などで決められたルールを逸脱した姿を周りに見せれば社会のルールを逸脱してきた悪い大人が近寄ってきます。親が守れる範囲に居てくれるならいいですがただ子どもはルールがない世界を知った以上好奇心が勝りずっと安全な場所には居てくれなくなります。経験上。

子どもを守れるのは親である自分でしかないと思って、ルールを破ることについて他人に意見を求めず、他人と違うことをするという覚悟を決めて判断するべきだと子どもを持った今も凄く感じます」

Naoさんの話を聞いたお客さんたちは、納得する方と「心配しすぎ」と笑い飛ばす方がいたそう。見た目が派手だったので「真面目」と驚かれることも。しかし、中にはお子さんを連れてきて直接話をしたお客さんもいらっしゃったそうです。

「悪い大人が悪い顔して近寄ってくればお子さん自身で警戒もできるでしょう。ただわたしの経験上、子どもは突如悪くなるんじゃなく、じわじわ染まる。気づいたら取り返しのつかない環境にたどり着く。

私の友人もまずは悪い先輩に近寄られ、その人の紹介で悪い大人に出会い、じわじわ抜け出せない良くない環境に染まっていきました。お洒落をしただけなのに。

リスクがあるよというお話なのでうちの子は違うという意見もわかります。色んな理由があってお洒落をするのだし色んな結果があって当然です」と自身の小学校高学年に経験した話も交えています。

髪を染めることで生じる可能性について
「背中を押して欲しいお客様の気持ちを理解しながらも、子供達と親御さんの未来を思った返答」
「ルールはルール。やはりある程度守っていた方が良きです。自分の身を守るためですね!」
「感覚として共有している『ダメな理由』をこれほど明文化されているのは初めて見ました。感動」
「小学生の夏休みくらい一度好きな色に染めてもいいかな〜なんて軽く思ってましたが、悪い奴らが近寄ってくるって可能性があるんですね。とても納得しました」
「ちゃんとこれを説明できる親でありたいです」
「身だしなみを整えるのは自衛です。この子はちゃんと親の目が行き届いてる、親がしっかりしてる。それだけでも牽制になる」
と、納得と共感のコメントが続々と寄せられています。

ただ、もちろん幼い頃に髪を染めるというリスクはそれだけではありません。気になるのは肌などへの影響です。「日本ヘアカラー工業会」に取材しました。

一度かぶれると生涯できなくなる可能性も

ヘアカラーリング製品をより安全に、安心して使用するための環境整備や仕組み作りを行っている「日本ヘアカラー工業会」(東京都中央区)のホームぺージでは、「お子さまにはヘアカラーや脱色剤(ブリーチ)を使用しないようにお願いしています」と記されており、理由を詳しく聞きました。

――「子どものヘアカラーやブリーチは使用しないようお願いしている」とのことですが、理由は?

ヘアカラーはアレルギーなどのリスクを伴うため、正しく使用することで安全性が確保されます。 

お子さまの場合、使用説明書の内容を十分に理解し、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を適切に実施したうえで、正しく使用することが難しい可能性があります。また、皮膚トラブルが発生しても、ヘアカラーが原因であることに気づかないおそれもあります。なお、お子さまの頭皮や毛髪は大人よりも弱く、アルカリなどの刺激を受けやすいともいわれています。 

――パッチテストをしっかり行ってアレルギー等なければ、何歳以上であればOK?

お子さまの成長は個人差が大きいため、年齢によって一律に使用可否を判断することは困難です。 

ヘアカラー製品の外箱には「幼小児の手の届かないところに保管してください」と明記しています。 また、欧州の製品では「16歳未満の方は使用しないでください」との表示があります(※)。 

――リスクが伴うということですね。では、皮膚のかぶれ症状が出てしまった場合は? 

すぐに使用を中止し、薬液を洗い流し、必ずすぐに医師(皮膚科医が望ましい)の診察を受けてください。 

かぶれを放置したり、ご自分の判断で手持ちの薬を使ったりしないでください。受診の際には、ヘアカラーを使用したことを伝え、可能なかぎり使用した製品を持参してください。適切な処置が遅れると、症状が長引くことがありますので、早く治療を開始することが必要です。 

――ヘアカラーなどで一度かぶれを起こすと、その後施術ができなくなると聞いたことがあるのですが本当でしょうか?

ヘアカラーにかぶれた方は、以後いかなるヘアカラーもご使用できません。 ヘアカラーによるアレルギー性のかぶれの場合、その原因のほとんどは有効成分の「酸化染料」です。 

この酸化染料はヘアカラー全てに配合されているため、「別の色番号やブランド」「別のメーカーの製品」などいずれのヘアカラーもご使用になれません。代わりにヘアカラー以外のヘアカラーリング製品(例えば、ヘアマニキュア)をご使用ください。たとえヘアサロン(理美容室)用の製品であっても、いずれのヘアカラーもご使用できません。 

――かぶれの原因のほとんどは染料なのですね。ちなみに、短時間だけでもヘアカラーを楽しみたい場合、カラースプレーやヘアマスカラなどを使うことはどうでしょうか?

カラースプレーやヘアマスカラといった一日だけ色味を楽しめるヘアカラーリング製品であっても、体質や肌質によっては、まれにアレルギー反応や肌トラブルが生じる場合がございますので、使用説明書をよくお読みいただき、異常が見られた場合は直ちに使用を中止してください。

他の方法としては、編み込みなどのヘアアレンジにリボンを使うことをご提案いたします。

――ヘアマニキュアにもリスクはありますか? 

化粧品であるヘアマニキュアは一般的にアルコールなどが含まれていますので、アルコールに敏感な方は注意が必要です。

また、どんな化粧品であっても体質や肌質によっては、まれにアレルギー反応や肌トラブルが生じる場合がございますので、使用説明書をよくお読みいただき、異常が見られた場合は直ちに使用を中止してください。 

――親御さんたちにお伝えしたいことがあればぜひお願いします。 

髪色は自己表現の一つとして多くの方に楽しまれていますが、弊会ではお子さまへのヘアカラーの使用は推奨しておりません。お子さまの頭皮や毛髪は大人よりも弱く、アルカリなどの刺激を受けやすいともいわれています。

親御さまのご理解やご判断も大切ではありますが、お子さまの安全を最優先に考えた慎重な対応が必要です。ヘアカラーリングを生涯にわたり、より安全に、安心に楽しんでいただくためにも、適切な年齢・時期を迎えてからのご使用をおすすめいたします。 

◇   ◇

「なんとなく良くない」という認識だった子どものヘアカラー。専門機関の話を聞いて、安心安全に使えるまでは控えるべきであること、薬剤の影響やリスクの大きさ、パッチテストの必要性などをあらためて知ることができました。

そして、Naoさんの話からは、属している社会に則したルールを守るべきであることと、そこから逸脱した時のリスク管理を親子でしっかり行っておく必要があることも。

取り外し可能なエクステやウィッグなどもありますし、カラー以外の選択肢も親子で考えたり、しっかり話し合いながら、ヘアアレンジを楽しんでいけたら良いですね。

※参照
『染毛剤等による皮膚障害防止に関する研究 』(厚生労働科学研究成果データべース) 

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)

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このニュースに関するつぶやき

  • ですよねー。ちなみに、染めない子供達は…染めている子供(の親)を見下している模様。他所の子供達が会話してるのを聞いて「あー、私と同じ感覚だー。」と安心した。
    • イイネ!2
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