
「アラフォーの人に聞きたいんだけどさ。
エリンギって子どものころ無かったよね??
なんか『昔からいましたけど?』って顔してるけど、いなかったよね?」
「はる(田島晴)」(@hal_papa_x)さんのこんな問いかけに、8.8万人が「いいね」で反応しました。
はるさんは、スーパーでふとエリンギを見て「小さい頃初めて食べたとき『変わった食感だな』っていう印象を持ったな。そういえば、それ以前ってエリンギなんてもの見たことも聞いたこともなかったな」と思って投稿したそうです。
この投稿に、昔はエリンギがなかったことに同意するコメントがずらりとならびました。
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「いなかった!!突如現れた気がする!!」
「初めて見て、なんだこのキノコ?って思いました」
「でも中学ぐらいの頃には我が家はマツタケとして食卓に出されてた悲しい思い出あるなぁ」
また、エリンギに関係した人からのコメントも。
「1980〜90年代に、きのこの種菌製造に携わっておりました。その頃に『新しい栽培きのこ』としてプレウロータス・エリンギイの種菌生産、栽培技術の開発をしていました。商品名は最初『アワビタケ』『えりんじ』などもあったと記憶していますが、『エリンギ』が固定しましたね。」
「1997年にエリンギを『西洋のブナシメジです!』と紹介して試食を促すバイトをしました。」
さらに、「昔からいましたよ?」って顔をしたものはほかにもあるとの声も。
「パプリカもいつの間にか、『いや自分色違いっすけど?』みたいな面して、ピーマン先輩の近くに並びやがってたしな。」
「わしなんか子供のころブロッコリーが無かったわ🥦」
「エリンギ まいたけ ズッキーニ スナップエンドウ とかは無かったです」
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ポストが話題になってはるさんは、「驚きました。そして同じように思ってくれてた人が多かったのだなと思いましたし、逆に若い世代の方には新鮮な話だったのかな、と。印象に残ったのは、実際にエリンギの栽培?商品化?に携わった方からリプをいただいたり、インフルエンサーのリュウジさんにも引用してもらったりしたことでしょうか。ホクトのCMを懐かしんだり、みんなでノスタルジーに浸った感じを楽しんでもらえたのかな、と思っています」と話しています。
昨年奥様を亡くされたはるさんは小学校の頃から料理が好きで、現在も2歳のお子さんを育てながら日々の食事を作っています。今でもエリンギは「新参者」という感覚で、「『海外から来たエリンギも、すっかり日本に馴染んだな』と思っているそう。エリンギをバターで炒めるというシンプルな食べ方が多いそうですが、お子さんがまだ小さいので最近はあまりエリンギ料理をしていないとのこと。
「ホクト」の『きのこバカセ』さんに聞いた
キノコの総合メーカー「ホクト」のきのこ総合研究所できのこ一筋36年という『きのこバカセ』さんにも、エリンギについて詳しいお話を聞きました。
──ホクトさんでは、1995年に本格的な栽培と販売をはじられたそうですね。それまではエリンギはなぜなかったのでしょうか。
エリンギはもともとヨーロッパ原産のキノコで、日本には自生していません。そのため日本では食べる習慣もなく存在すら知られていないキノコでした。1990年代に愛知県林業センターで初めて栽培に成功したのが始まりです。当時ホクトでも大量生産技術の研究を重ね世の中に普及させることに成功しました。
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──エリンギの栽培は難しいものだったのでしょうか。
エリンギは基本的に他のキノコと同じイメージで栽培できるので、当初は簡単だと考えていましたが、同じ生育室で繰り返し大量栽培していると病気に弱く、生育途中で立ち枯れる現象がみられ、これを解消することが大きな問題でした(キノコは健康食材という地位があり無農薬栽培する必要もある)。エリンギは他のキノコに比べ特に「清潔好き」なキノコなのです。
──キノコへの愛情が感じられる回答です。そんな「きのこバカセ」さんおすすめのエリンギのレシピも教えてもらえませんか?
キノコのカラフルピクルスです。エリンギは切り方によって食感が変わります。輪切りにすると軟らかい食感に、縦切りにするとこりっとした食感が楽しめるので、いろんな切り方でピクルスを作っていただくのがオススメです。
また、個人的には「エビチリ」ならぬ「エリチリ」がお勧めです。エリンギを輪切りにカットし、エビのかわりに使います。チリソースは市販品でもOKなので、厚めの輪切りにしたエリンギに片栗粉をまぶして焼いたあと、ニンニクと玉ねぎ、チリソースを入れてからめます。キノコが苦手な方も食べやすいです。
ほかに、リュウジさんのバズレシピ内で配信していただいている輪切りのエリンギをマヨネーズで炒める(ベーコン+レタス)のも大変美味しいです!
──エリンギの切り方の違い、知りませんでした。エリンギについて知らないことがまだたくさんありそうです。
エリンギ等のキノコ類は葉物野菜より食物繊維が多く含まれています。その食物繊維は人の腸内で、腸内細菌のエサとして利用されて「短鎖脂肪酸」という物質が生み出されます。それにより免疫細胞が刺激され健康的になるとされていますので、皆様もぜひ、キノコを食べ続ける「菌活」に取り組んでみてはどうでしょうか?
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)