冷凍食品、お弁当の保冷剤代わりはNG? “自然解凍品”の定義と危険な勘違い

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2025年07月24日 16:00  ORICON NEWS

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揚げ物から野菜まで種類豊富な「自然解凍品」。お弁当の保冷剤代わりに使うのはあり?なし?
 食中毒リスクが高まる夏のお弁当。いつも以上にしっかりと粗熱を取り、保冷剤を用意するなど対策を講じている人も多いのではないだろうか。そんな中、近年では、凍ったまま弁当に入れられる『自然解凍品』と呼ばれるおかずを保冷剤代わりにしている…という声も耳にする。ところが、冷凍食品のエキスパート、日本冷凍食品協会によると、この使い方は「大変に危険」という。知っているようで意外と知らない冷凍食品に関するNGを聞いた。

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■家庭で冷凍した手作りおかずや『自然解凍品』表示がない冷食は加熱調理を

 凍ったままお弁当にいれるだけという手軽さから、弁当派の強い味方になっている『自然解凍品』。実は、この『自然解凍品』は冷凍食品の中でも、特に厳しい基準が定められている。

「パッケージに<自然解凍品><自然解凍OK>と表示しているのは、35℃の環境に9時間置いても安全が保たれて、おいしさが損なわれないことが試験で確認された商品です」(日本冷凍食品協会 広報部長・三浦佳子さん/以下同)

 ところが近年、この『自然解凍品』の誤った使い方が広がっていることに、同協会では危機感を覚えるという。

「ときどきネットで『自然解凍品は保冷剤代わりになる』というライフハックを見かけるのですが、この使い方は危険です。凍ったままお弁当に入れられるとは言え、自然解凍品が他の食材を"保冷"する役割を果たすわけではありません。『お弁当に自然解凍食品を1品入れておけば安心』と考えず、温かい食材を入れたら必ず粗熱取りをする、保冷剤を使う、保冷バッグを使用するなど、基本の食中毒対策をしてください」

 『自然解凍品』そのもののおいしさと安全性が担保されるのは、あくまで厳格なルールのもとで製造されているからだ。

「ホームフリージングした作り置きのおかずを『お昼頃には自然解凍されているから』とお弁当に入れるのは、危険なのでやめましょう。食中毒を起こす菌は冷凍しても死滅せず、解凍してから再び活動を始めます。どんなに注意していても、一般家庭のキッチンから完璧に菌を排除することは不可能なので、ホームフリージングおかずは、召し上がる前にしっかりと再加熱することが大切です」

 さらに、『自然解凍品』とパッケージに表示されていない冷凍食品を自然解凍するのも、「NG」と言う。

「基本的に冷凍食品は加熱調理をすることで、おいしく安全に召し上がっていただけるように製造されています。最近は自然解凍ができる冷凍野菜などもありますが、多くは加熱調理をする必要があります。製造から物流、販売まで徹底した衛生管理をしている冷凍食品も、解けたらナマモノと同じ。高温多湿の環境で放置すれば、菌が繁殖するリスクも高まります。さらに言えば<自然解凍品>であっても、9時間を超えて常温放置したものは品質の保証ができません」

 加熱調理の必要がないため忙しい朝の時短はもちろん、電気・ガス代の節約にもなる『自然解凍品』。正しく使ってタイパ・コスパの良い生活を送りたい。

(取材・文/児玉澄子)

このニュースに関するつぶやき

  • 注意書きなどを読まず自分に都合のいいように解釈している人は多分食中毒にかかって応報を受けることになるだろう
    • イイネ!13
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