異常発熱、動作停止、本体膨張......あなたのスマホは大丈夫!? スマホバッテリー【メンテ・交換】の最適解

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2025年07月31日 06:40  週プレNEWS

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猛暑の中、多発するモバイルバッテリーの発火事故。バッテリーを主要パーツとしているスマホは、どのようなことに注意して使用すべきなのか? スマホバッテリー夏運用の最適解を紹介します!

【写真】スマホの異常発熱の対応法

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■夏場のバッテリーの異常発熱はどう対処する?

近年、各種バッテリーが原因の発火事故が多発状態。モバイルバッテリーは航空機内での取り扱いがより厳重になり、電動バイク用のバッテリーはリコール!

そんな中、最も身近なバッテリー搭載製品がスマホだ。この圧倒的な猛暑におけるスマホバッテリーの注意点、交換のタイミングなど、ITジャーナリストの法林岳之さんにお聞きします。

――まず、お聞きしたいのがスマホのバッテリーに関する事故。これまで、どのような実例があるのでしょうか?

法林 2016年に発売されたサムスン社製の「Galaxy Note 7」(日本未発売)はバッテリーの発火・爆発事故が多発し、航空機への持ち込みが禁止されたほどでした。

これが契機となってメーカー各社はスマホに内蔵するバッテリーの耐久テストや発熱時の温度管理などを徹底するようになりました。現在では、スマホは最も安全性の高いバッテリー搭載製品といえます。

それでも、やはり夏場にはスマホが発熱します。その状態のまま無理やり使用することで、バッテリーの劣化を早める原因になります。

――この時期、どのようなことを行なうと、スマホが激しく発熱するのでしょうか?

法林 例えば、動画撮影です。観光などで、よりワイドな画角で撮影しようと地面に近い所で撮影をするとすぐにスマホが発熱します。また、充電ケーブルを接続したままのゲームプレイも発熱が激しい。

――スマホが発熱すると、アプリの切り替えが激遅になったりしますが、これって故障だったりするのですか?

法林 いえ、スマホには「動作時環境温度」が設定されています。例えばiPhone 16シリーズの場合は0〜35℃。これを上回った場合は、OS側が動作速度を低速に制御し、バッテリーなどの内部パーツの発熱を防ぐ仕組みとなっています。

ただし、こういった機能は最近、発火事故が相次いでいるモバイルバッテリーにはほぼ実装されていません。それもあって、事故が増えているのでしょう。

――スマホのバッテリー、優秀すぎ!

法林 ただし、いくら動作を制御してもバッテリーの劣化は早まるので、発熱でスマホの動作が遅いと感じたときは、撮影やゲームを中断して本体を冷却するのがベストです。

――発熱したスマホを冷却する方法は?

法林 まずはスマホケースを外すことです。一般的なTPU素材を使用したケースは密閉性が高く、排熱を妨げます。ケースを外すだけでも、だいぶ速く冷却されますね。そして、送風も有効。最近は誰でもモバイル扇風機を持っていますので、スマホに直接送風するのもいいでしょう。

あと、スマホの背面に貼る冷却シート的な商品も1000円以内で発売されていますので、こういったアイテムも活用してみましょう。

――夏休みは普段クルマに乗らない人が、スマホをカーナビとして利用することもあります。ここでの注意点は?

法林 スマホホルダーの設置場所です。ホルダーをエアコンの送風口に装着するタイプは、エアコンの風で常にスマホを冷却でき、熱による本体への負担がなくオススメです。一方、ダッシュボードに装着するホルダーは直射日光が当たるので避けるべきでしょう。

そして、一番問題なのはダッシュボードなどにスマホを放置してしまうこと。例えば、iPhone 16シリーズには「保管時(非動作時)温度」があります。これはマイナス20〜45℃の範囲で設定され、この範囲内で保管しないとバッテリーをはじめとする内部機器に悪影響を及ぼします。炎天下の車内にスマホを放置したり、日の当たる場所にスマホを置くことは絶対にやめましょう!

――このほか、夏のスマホ利用での注意点は?

法林 夏に限りませんが、モバイルバッテリーを常に接続し続けることです。これもバッテリー劣化の原因となります。どうしても常時充電が必要な場合は、充電速度が緩やかでバッテリーへの負担の少ない、ワイヤレス充電対応のモバイルバッテリーを利用すべきでしょう。

――ところで、バッテリーの劣化はどこでチェックするのでしょうか?

法林 iPhoneシリーズなら【設定→バッテリー→バッテリーの状態と充電】の「最大容量」から確認できます。Android端末にもこういった項目があり、最大容量70%以下がバッテリー交換のタイミングとなります。

――では、バッテリーの交換はどのようなショップで行なうのが正解ですか?

法林 iPhoneシリーズは、キャリアやApple、そしてカメラのキタムラやビックカメラなど「Apple 正規サービスプロバイダ」で交換できます。そしてAndroid端末の場合は、基本的にキャリア、そしてメーカーになります。

――最近は全国の駅前やロードサイドにも「スマホ修理ショップ」がありますが?

法林 このようなショップを利用する場合は、総務省「登録修理業者」を選びましょう。これは総務省のホームページから確認できます。

正直、登録修理業者より格安でバッテリー交換を行なうショップはいくらでもあります。しかし、そういったショップを利用した場合は、メーカーの修理や下取りの対象外となるリスクのあることをお忘れなく!

――法林さん的にバッテリー関連で危険度が高めな製品はありますか?

法林 ガラケーことフィーチャーフォンが不安です。まだ多くの家庭に20年以上前の端末が残っていて、これが炎天下の物置などに保管されていることは、危険と言えますね。

――これはどう処分するのが正解ですか?

法林 例えば、NTTドコモやau、ソフトバンクでは、キャリアやメーカーを問わず引き取り処分を行なってくれます。また、使わなくなったモバイルバッテリーは、大手家電量販店に設置される回収ボックスを利用して処分するのがベストです。

――まだまだ猛暑が続くので、未使用となったガラケーやモバイルバッテリーも積極的に処分していきましょう!

取材・文・撮影/直井裕太

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