
7月30日、一般社団法人共同通信社が公式Xアカウントに投稿した“不謹慎クイズ”が波紋を呼んでいる。
民間人を含めて死者は30人以上
共同通信の公式アカウントは《【突然ですが、クイズです】※ニュースに関心を持っていただきたく出題します。タイ・カンボジア両国が領有を争う寺院遺跡「タムアントム」周辺で軍事衝突した。先に攻撃したのは?》と問いかけ《タイ》《カンボジア》《両国とも「相手国が先」と主張》と選択肢を掲げた。
クイズの元となったタイとカンボジアの軍事衝突について、政治ジャーナリストが語る。
「今回、軍事衝突が起こった寺院周辺はタイとカンボジアの国境地帯にあり、従来から両国の間で緊張関係が続く場所でした。軍事衝突の発生を受け、日本の外務省による『海外安全ホームページ』の危険情報では、タイとカンボジアの国境地帯は危険レベル3の“渡航中止勧告”に引き上げられました。
タイは海外旅行先として人気があり、比較的治安のいい国として知られるため、大きな変化です。両国はマレーシアの仲介によって29日から無条件の停戦に入りましたが、31日の時点で外務省の危険情報は出たままです」
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今回の軍事衝突では軍人ばかりでなく、民間人からも犠牲者が出ていて、死者は30人以上と報じられている。そのため、ネット上では非難の声が。
《カンボジアとタイ両国の国民に対し、無神経で極めて無礼な投稿》
《こんなのをクイズにする共同通信、正気? 神経疑う》
《めちゃくちゃナーバスな問題をヘキサゴンみたいなノリで出すなよ》
こうした声が殺到したためだろうか、投稿は間もなく削除された。31日昼の時点で謝罪コメントなどは出されていない。
「今回の軍事衝突をめぐっては、タイとカンボジアでは国力や知名度の差などから日本のメディアではタイ寄りの報道が目立ち、この点を批判する声も一部ネット上で見受けられます。停戦合意に至ったとはいえ、今回の軍事衝突の背景には根深い政治的、文化的な対立が存在し、両国の主張も真っ向から食い違う状態です。なにより、犠牲者の出ている案件を“クイズのネタ”にするのは非常識です」(前出・政治ジャーナリスト)
共同通信のXアカウントでは、今回の件以外にも時事ネタに関するクイズをひんぱんに投稿している。《ニュースに関心を持っていただきたく出題します》の意図は理解できるとしても、“ネタ選び”は慎重にお願いしたい。
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