限定公開( 2 )
あの庶民的な魚が1尾5万円……!? 釧路から名古屋に届いた“初物”を紹介し調理・実食する動画がYouTubeに投稿され話題に。この動画は記事執筆時点で12万回以上再生されており、多くの反響が寄せられています。
動画を投稿したのは、名古屋で鮮魚卸を約40年営む「寿商店」で働く森朝奈さんのYouTubeチャンネル「魚屋の森さん」。同店は森さんの父親が社長を務め、魚料理の飲食店も複数運営しています。
この日、7月11日の朝に緊急でカメラを回して紹介するのは、釧路港で水揚げされた1尾5万円の新サンマ。通常、出回るのは8月以降とされていますが、今回釧路の水産加工会社「笹谷商店」から「すげぇのが揚がった」と連絡があり、特別に4尾が送られてきました。
釧路の初競りでは1尾5万円という破格の値がつきましたが、これに続いて行われた札幌・豊洲・名古屋の初競りでは、1キロあたりそれぞれ約88万円、30万円、最大で7万円と、いずれも高値となりました。これらはいずれも「ご祝儀価格」と呼ばれるもので、初物に祝いを込めて高値を付ける市場の慣習によるもの。豊漁や商売繁盛を願う“応援買い”として、縁起物的に競り場が盛り上がる文化が背景にあります。
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このご祝儀価格について社長は「新物で一番いいものを最初にお金を払ってでも食べたいという日本人の感覚。一次産業を盛り上げるためには絶対必要なことです」と熱く持論を語りました。
送られてきたサンマは、いずれも指3本分を軽く超える立派な太さで、1尾の重さを計量するとなんと195グラムもありました。なお、4尾のうち1尾は撮影前に我慢できず社長自らが味見をしていたようです。「このサイズは8月の本番でも滅多に見ない」と笹谷商店から聞かされていた通り、鮮魚卸40年のキャリアでも「この時期にこんな厚みのサンマは初めて」と社長も驚きを隠せませんでした。
調理はシンプルに塩焼きで。まず、サンマのウロコは鮮度の証ともいえるほどしっかりと付いているので、包丁の背で丁寧にこそぎ取ります。続いて、身に浅く切り込みを入れ、切り口から塩が均一に染み込むよう全体にまんべんなく塩を振りかけました。これで、外はパリッと中はふっくらとした「初物ならでは」の香り高い塩焼きが楽しめます。
串を打ってじっくり焼き上げるとじゅわっと脂が滴り落ち、パチパチと弾ける音とともに香ばしさが広がります。見ただけで思わず「おいしそう……!」と声が漏れてしまいますね。
皮が香ばしくパリッと焼き上がったところで、いよいよ食卓へ。お店で提供している400円のごはんセットと一緒に食べるので、1人前はなんと5万400円のスペシャル定食に早変わりしました。
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ひと口食べた森さんは「ふわふわする」と笑顔に。社長は「鮮度がいいからふわふわするんだよ」と解説します。さらに森さんは、「香りがすごいね。口の中がすっごいサンマのいい香り」「皮がうめぇ!」と感動。社長も「大衆魚っていう青魚独特の香りじゃなくて、白身のほうじゅんな香りがする」と絶賛し、高級初物ならではの味わいを堪能していました。
最後に毎年サンマの競りが話題になることについて森さんが「本当に日本人の真髄というか大好きな魚のひとつだからさ、マグロと同等だよね」「本当に風情のある魚」と熱く語って動画は終わりました。
この動画には「食べたい、そんな気持ちになりました」「めっちゃ大きいサンマ!!」「この時期でこのサイズは…あまり聞いたこと無いな〜」「秋刀魚の大きさが立派過ぎる」「型のいい秋刀魚羨ましい!」「サンマいやぁ凄いやぁ〜新秋刀魚素晴らしい」といった声のほか「初物の御祝儀って凄いですね!!」と改めて市場文化に感心するコメントも見受けられます。
さらに、「今年の秋は豊漁になって、もっと手頃な値段で楽しめるといいな」「豊漁祈ってます」と、来たるサンマシーズンへの期待を込めた声も多く寄せられていました。
画像提供:YouTubeチャンネル「魚屋の森さん」
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