戦後に洋猫が増えた日本 毛色も性格も“ミックス”になった猫たち 獣医師が見た変化とは

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2025年09月03日 12:20  まいどなニュース

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昭和の時代、三毛猫と言えばこの色合い…真っ黒×黄色×白のハッキリと色分けされている猫チャン

あなたの飼われている猫チャンは日本猫(和猫)ですか?それとも洋猫でしょうか?よくわからない…といったこともあるでしょうね。

【写真】令和の三毛猫は、淡い色合いの「パステル三毛」が増えています…ご先祖様に洋猫がいるのかな?

そうなのです。この日本では、第2次世界大戦後に海外のいろいろな猫チャン達が持ち込まれました。それまでは何百年来ずっと日本に住み着いている猫達が代々飼われており、なんとなく和風な、性格も日本人と似ているような、猫ばかりでした(おそらく)。しかし、洋猫が日本に入ってくると、猫はヒトや犬よりも妊娠しやすいため、しかも一度に数匹産むため、どんどん洋猫との交配が進み、いまでは野良猫なんだけどちょっと洋猫のような長毛の三毛猫だったり、黒猫だけど毛先がカールしていたり、という猫チャンも珍しくなくなりました。昭和の時代の三毛猫といえば、色合いは真っ黒×黄色×白の三毛が多かったように思いますが、最近は淡いパステル調のグレー×クリーム色×白のような三毛もいますね。

ですから、現在の日本にいる猫チャン達には、純粋な日本猫というのはほとんどいないのかも知れません。色柄と同時に、性格も日本猫と洋猫がミックスされつつあるように思います。日本猫は、先程もお話したように、何百年も日本で日本人と暮らしていたためか、性格も日本人と似ている気がします。特に和猫と洋猫で一番違うなぁと思う瞬間は、初対面のヒトにあったときです。日本猫は、恥ずかしがりやで人見知りする子が多いので、家に知らないヒトが入ってくると、一目散に押し入れに入って出てこないということが良くありますね。もちろん、猫チャンひとりひとりで性格は異なりますから、全く人見知りしない子もいますが、一般的には人見知りさんが多いのではないでしょうか?

一方の洋猫達は、家に知らないヒトが入ってくると「Hi,Nice to meet you!」という感じでその知らないヒトの目の前に集まってきて「どんなニオイなんですか?嗅がせてもらいまーす!」といろいろニオイチェックを始めたり。これは人間にも言えることですね。今の若い日本人は初めての場所でも物おじせず堂々と振舞っておられる方をお見かけして感心しておりますが、一昔前の日本人は、初めての場所では緊張してオドオドして…という方が多かったのではないでしょうか?そして、アメリカ人などが初対面でもとても親しげにいろいろ話しかけてきたりして、その物おじしない態度が私はうらやましかったものです。

我が家は現在、和猫(保護猫)を4匹飼っていますが、友人が玄関からリビングに入ってくるなり、酷く驚いて押し入れめがけて走り去ります。せっかく来ていただいた友人に猫自慢することはかなわず、寂しい限りです。以前は洋猫を3匹飼っており、友人もよく泊まりに来ていたのですが、リビングに友人が入ってくるなりそのヒトを3匹で囲んでニオイチェックをしてしました。

しかし、洋猫3匹を飼っていたときに一度だけ、友人がリビングに入ってきたときモジモジしてその後逃げた猫がいました。その猫は血統書付のメインクーンだったのですが、「なんで逃げるの?」と思って抱っこしてその友人に渡すと、その猫の毛は総立ちになってしましました。その後、友人と話していると、なんと、彼は動物保護管理センターに勤務しており、その日の業務は殺処分だったのです(注)。もしかしたら、彼の後ろに猫の霊が見えたのかもしれません。

注:もちろん、当動物保護管理センターも殺処分ゼロを目指して頑張っておられます。

◆小宮 みぎわ 獣医師/滋賀県近江八幡市「キャットクリニック 〜犬も診ます〜」代表。2003年より動物病院勤務。治療が困難な病気、慢性の病気などに対して、漢方治療や分子栄養学を取り入れた治療が有効な症例を経験し、これらの治療を積極的に行うため2019年4月に開院。慢性病のひとつである循環器病に関して、学会認定医を取得。

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