限定公開( 3 )
DeNA森唯斗投手(33)が現役引退を決断したことが19日、分かった。近日中に正式発表される。プロ12年目の今季は8月28日阪神戦(横浜)に先発で初登板。5回2失点で先発としては移籍後初勝利を挙げた。翌日にチーム事情によって登録抹消されて以降出番はないが、通算485試合に投げソフトバンク時代には3度の胴上げ投手、18年にはセーブ王のタイトルも獲得。通算100ホールド100セーブ、新人から7年連続50試合登板など、輝かしい成績を収めてきた右腕が現役生活にピリオドを打つ。
◇ ◇ ◇
森唯が潔く決断した。DeNA加入2年目、プロ12年目の今季は開幕から若手たちとともにファーム生活が続いたが気持ちは切らさなかった。夏場には1軍先発陣にアクシデントが重なり「こういう時こそ僕の出番だと思ってます」と気合十分で8月28日阪神戦(横浜)に先発で今季初登板のチャンスをつかんだ。
気迫あふれる5回2失点の粘投で、先発としては移籍後初勝利。同戦には家族も観戦に訪れており「感謝したい人もいっぱいいますし、今までやってきたことが無駄じゃなかったと思えるゲームでした」とかみしめた。翌日にチーム事情によって登録抹消されて以降1軍の出番はないが、イースタン・リーグでは今月13日に11連勝中だった巨人相手に6回2失点で勝利に貢献。ベテランの意地を見せた。
輝かしいプロ12年間だった。通算485試合登板。ソフトバンク時代には4度のリーグ優勝、6度の日本シリーズ優勝、そのうち3度の胴上げ投手と何度も歓喜を味わってきた。今季は開幕から1軍に呼ばれない時期が続いても「呼ばれたらいつでもいく準備はできてます」と早朝から練習は欠かさない“森唯斗スタイル”を貫いた。
|
|
原点は野球少年だった昔と変わらない。「投げて抑えたら楽しいし、打たれたら腹が立つし、じゃあどうやって抑えようかなと考える。その繰り返しでした」。野球を愛し、野球とともに歩んできた人生だった。親分肌で人間味あふれる人柄も愛された。後輩たちからは投手陣のアニキ的存在として慕われた。野球に向き合う姿勢を背中で示すとともに、積極的にコミュニケーションをとってきた。
8月の今季初登板後には「もがいているのが絶対にプラスになると思ってやるしかない。ユニホームを脱ぐまではもがきます」と話していた33歳。もがいてもがいて自らの地位を確立してきた男が、惜しまれつつもユニホームを脱ぐ。
◆森唯斗(もり・ゆいと)1992年(平4)1月8日、徳島県生まれ。海部−三菱自動車倉敷オーシャンズを経て13年ドラフト2位でソフトバンク入り。プロ1年目の14年から7年連続50試合以上登板。18年セーブ王。同年日本シリーズでは優秀選手賞。20年10月11日に球団初の「100セーブ&100ホールド」を達成。23年オフに戦力外を受け、DeNAと契約。オールスター出場2度。175センチ、91キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸4000万円。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。