宿泊客が、5時間も無断で滞在しつづけ……ゴミ放置、喫煙、大事な家具も壊されて 民泊運営者「ここまでヒドいのは初めて、最低限のモラルを」

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2025年09月20日 07:20  まいどなニュース

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まいどなニュース

ゴミはそのまま、いろんなものが散乱しているデッキ(直人【コンシェルジェ民泊】X @mosva_0 より)

「最悪のゲストに遭遇しました。 日本人6人組のゲストがチェックアウト後も5時間以上不法滞在。室内外の備品を破損し、禁煙ルールを無視して喫煙。 

【写真】テーブルには飲みかけのペットボトルやゴミ、タバコが置かれたまま

大量のゴミを放置し、部屋には強烈な臭いまで残りました…。Airbnbを通じて損害賠償請求中ですが、正直ダメージは大きいです」

元バックパッカーで、現在は東京や名古屋、沖縄で民泊を運営する直人【コンシェルジェ民泊】さん(@mosva_0 以下直人さん)。Xで投稿した被害に、「ここまできちんとできないことにドン引き」「完全な事件」「もはや“ゲスト”ではない」などの声が集まり、拡散されました。

直人さんは、「民泊など宿泊施設を利用するときは、最低限のモラルは守って欲しい、との思いから投稿しました」。今回の惨状や直人さんの思いに迫りました。

あまりの惨状に「開いた口がふさがらなかった」

直人さんによると、3泊4日で滞在したのは日本人男女6人。事前に、宿泊に関するルールに同意の上で予約が完了し、宿泊前日にも禁煙などの禁止事項は再度告知していました。

しかし、チェックアウト時間が過ぎても、荷物や自動車を敷地内に置いたまま。携帯電話に連絡をしても留守電に繋がる状態が続いたそう。

「清掃スタッフはチェックアウト時間に現地へ行っています。でも、退去する気配がまったくないと連絡が入りました。まずは、スタッフの安全確保を優先して、それ以上の介入はせず、メッセージや電話で連絡したものの、返答はなかったのです」

ようやく退去し、部屋に入ってみると、大量のゴミ、禁止のはずのタバコの吸い殻、座布団や布団の酒臭、泥だらけの室内スリッパ、吐瀉物が散乱。さらには屏風までも破壊され、近隣のスーパーのカゴも。見るに耐えない惨状に言葉を失うしかありませんでした。駆けつけた清掃スタッフも夢かと思ったと、目を何度も擦ったそうです。

通常の清掃では原状回復には至らないと判断し、急遽、宿泊予約の受付を停止。清掃スタッフ3名で9時間かけて、クリーニングを行いましたが、室内に残った臭いが完全には解消されないため、消臭の専門業者に依頼しています。

ただ、気に入っていた木彫りの屏風は、割られて裏側が見えて、もはや同じものが買えるかどうかも分からない状態。罰金を払えばいいというものではありません。

「2度と繰り返して欲しくない」

この惨状をXで明かした結果、2100万もの人の目に触れ、約3900回もリポストされました。

その結果、直人さんのもとには、宿泊者からの謝罪メールが届きました。

「この度は、私どもの貸別荘の利用においてご迷惑をお掛けしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

魚を含む生ゴミや喫煙した吸い殻を部屋の中に捨ててしまい、その結果、強い臭いを残してしまいました。深く反省しております。

破損してしまった屏風についても、扉を開けた際に倒してしまったものです。大切な備品を壊してしまったこと、心より申し訳なく思っております。

また、卓上に散乱していたゴミの処理もできずに退出してしまったことも、大変申し訳ございませんでした。

今後についてですが、修理費や臭いの問題などについて、誠意をもって対応させていただきたいと考えております。

可能であれば直接お伺いして謝罪させていただきたいと存じます」

現在(9月19日取材時点)、宿泊代表者の連絡先や身分証の提示を受け、直人さん側が損害賠償の請求明細を提示。受領後7日以内の入金に向けて調整を進めています。

今回、あえてSNSでの発信をおこなった理由について、「こういう惨状を隠してしまうと、また繰り返されてしまいます。多くの方に知っていただくことで、“やったらダメなんだ”という抑止力につながればと思ったからです」と直人さん。

「やった本人たちはその場で盛り上がって楽しかったのかもしれません。 ですが、やられた側にとっては本当に地獄です。 通常の清掃で対応できるレベルをはるかに超えた汚れや破損は、簡単には原状回復できません。 

壊されたものがすぐに買い直せるとは限らず、補填の手続きも時間と労力がかかります。 その間は予約を止めざるを得ず、結果的に次に楽しみにしていたゲストさんにまで迷惑が及んでしまうのです」

日本の宿泊業界が抱える問題でも…

無人運営について「リスクも承知の上でやっているのだから自己責任では?」という声もありました。

「宿泊者とスタッフが顔を合わせることのない無人運営は、それゆえ“誰のものでもない空間”と錯覚されてしまうのかもしれません。でも実際には、宿に愛着を持っている運営者や、現場で汗を流して清掃してくれているスタッフがいます。

“無人”だからといって、“人がいない”わけではありません。多様な背景を持つお客様が滞在されるので、一人ひとりに最適な対応が必要です。民泊運営には、努力と工夫が必要というのが現実なんです」

また、「破損や迷惑行為の抑止にもなっているデポジット制度は、海外では一般的ですが、日本の宿泊業界では導入されていません」と、日本の性善説に基づいた宿泊業界についても疑問を投げかけます。

ほかにも予約した客が現れず、その分の食材費などの損害を問題視する声がしばしば上がっています。この問題は宿泊施設だけでなく、飲食業界でも同様です。モラルの欠けた利用者への対策は、宿泊業界や飲食業界の関係者の多くが望むことでしょう。

直人さんも、これまでにも備品のドライヤーを盗難する、難癖をつけ全額返金を要求し、応じない場合はレビュー評価を1にすると言う、など、モラルのなさやルール違反に辟易としてきました。

しかし、ゲストからの感謝の手書きメッセージを受け取ると、「やってよかった」という気持ちに包まれます。

だからこそ、今回の経験に対して、「“二度と同じことをしてほしくない”という気持ちが一番強いです。今、読んでくださっている方にも “宿泊施設に泊まるときは最低限のモラルを守ってほしい”と心から願っています」。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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このニュースに関するつぶやき

  • 日本人でそんな事やらかす自体恥ずかしい。恥の概念がないのか、密林ででも育ったのか。お母さんオオカミなんか。もはや哀れだ
    • イイネ!9
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