年間300人超が死亡? 「10分以上の長風呂」は若くても危険なのか、温泉療法専門医が解説

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2025年09月30日 20:50  All About

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【温泉療法専門医が解説】入浴中の事故は高齢者に多いものの、若い方でも決して他人事ではありません。特に長風呂には年齢を問わず危険が潜んでいます。入浴時のリスクと安全に楽しむための注意点を解説します。

Q. 「10分以上の長風呂は危険」って本当ですか?

Q. 「しっかり疲れを取りたいので、冬はもちろん暑い季節でも、浴槽で10分程度は温まるようにしています。最近『長風呂は危険』という話を聞きますが、10分程度でも注意は必要なのでしょうか? 今40代で、持病などは特にありません」

A. 若くても、「谷型ヒートショック」や「熱中症」に注意が必要です

入浴中の事故というと高齢者を思い浮かべがちですが、実は若い人でも年間300人以上が命を落としています(※2023年の国による調査『浴槽内での溺死及び溺水による死亡数』より)。その原因の多くは、入浴時の体調の急変です。

特に注意すべきは、血圧の急な変動による「谷型ヒートショック」です。これは入浴中に体が温まり血管が広がることで血圧が下がり、立ち上がる瞬間に立ちくらみや意識消失を引き起こす現象です。季節を問わず、若い人でも発生し、湯船で倒れてしまえば溺れる危険があります。

さらに、夏は熱中症の注意喚起がされますが、入浴中に体温が上がりすぎると、熱中症と同様の状態になることもあります。ぼんやりしたり、眠気を感じたりしたときにはすでに体が限界を迎えているかもしれません。

安全に入浴するためには、湯温は40度前後、時間はのべ10分程度が目安です。若くても、入浴前に水分を取り、湯船からはゆっくり立ち上がるよう心掛けてください。

早坂 信哉プロフィール

お風呂・温泉の正しい情報を伝える 温泉療法専門医。浜松医科大学准教授、大東文化大学教授 などを経て、2015年より東京都市大学人間科学部教授(現職)。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長も兼任。
(文:早坂 信哉(医師))

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